Orbis NEWS LETTER 中国株は終わったのか

~オービス・インベストメントが見た世界の潮流~



1989年に設立されグローバルに資産運用事業を展開するオービス・インベストメントの日本での事業拠点であるオービス・インベストメンツ株式会社が、グループ45年間の歴史の中で培ってきた知見から世界での潮流を分析しましたので、ご報告させていただきます。



中国市場は一時期もてはやされた新興市場ですが、近年ではそのリスクの大きさが取り沙汰されるようになり、むしろ避けられるようになってきたように感じます。中でも、中国大陸に対する投資家のセンチメント(市場心理)は、より厳しいものになっています。

中国株は終わったのでしょうか?当社はそう思っていません。



オービス・インベストメントはボトム・アップの投資家であり、トップ・ダウンの投資意思決定は致しません。従って、「中国市場全体に対するビュー」は持っていませんが、一部の中国銘柄に大きな魅力を見出した結果、2018年10月31日現在、当社Orbis Global Equity戦略において、中国を含む新興市場が、大幅にオーバーウェイトになっています。



2018年10月31日現在、アジア(除く日本)が大きくオーバーウェイトになっているのに対し、北米や欧州は大きくアンダーウエイトになっています。

■アジア(除く日本)

Orbis Global Equity戦略においては20%のウェイト

MSCI World Indexでは、2%

■北米や欧州

Orbis Global Equity戦略においてそれぞれ43%、12%のウェイト

MSCI World Indexでは、それぞれ66%、22%



中でも、2018年10月31日現在、Orbis Global Equity戦略の中で、NetEaseは最大の投資先になっています。(Orbis Global Equity戦略の7%を占めます。)投資妙味は、以下のとおりです。

1. NetEaseは、中国のインターネット企業であり、主にオンライン・ゲームの開発及び販売を行っています。しかし近年は、ポータル・サイトの運営や、eコマース、eラーニングなどの新規事業も始めています。

2. 当該企業のネット・キャッシュを差し引いて考えれば、我々が想定するstabilized earningsに対し、PER(株価収益率)13xで取引されている状況です。

3. 現状の時価総額は、ゲーム事業の価値しか織り込んでいないものになっています。即ち、ポータル・サイトやeコマース(Kaolaという高質な海外製品を中国で販売することに特化したサイトなどを運営)、eラーニングなどの事業が株価に反映されていません。弊社では、本業の実力もさることながら、周辺新事業の成長性にも相当程度確信を持っており、当該企業の株価は非常に割安であると考えています。

4. 当該企業の株価が低迷している最大要因は、中国の規制当局による、ゲームライセンスの承認凍結であると、オービス・インベストメントでは考えています。一方、オービス・インベストメントでは、当該規制の影響は、NetEaseの事業の長期的成長にとっては限定的であり、株価が不当に下がっていると考え、アンダーパフォーマンスの中で、更に買い増しを進めてきました。



結論として申し上げたいことは、オービス・インベストメントとして、中国株が終わったとは思っておらず、継続して、ボトム・アップでみて割安な銘柄を探求しています。ただし、それは必ずしも中国市場に対してトップ・ダウンで前向きな評価をしているということを示すものではありません。オービス・インベストメントは、あくまでボトム・アップのアプローチであり、トップ・ダウンの分析から投資判断を行うことはありません。

一方、今の中国のように、マーケット全体が下がっているような状況こそ、ボトム・アップの投資家にとってはチャンスであり、これまでのオービス・インベストメントの歴史の中でも、こういった局面で投資した銘柄が後々高いリターンを生んだというケースが多々あります。





【オービス・インベストメンツ株式会社について】

私どもオービス・インベストメンツ株式会社は、1973年創立のアラン・グレイ・プロプライアタリー・リミテッドを起源として1989年に創立され、グローバルに資産運用事業を展開するオービス・インベストメントの日本での事業拠点です。オービスの運用は、「コントラリアンなアプローチによる緻密なファンダメンタル分析をベースにした長期投資」に特化し、現在約3兆円の預かり資産を、世界の上場企業に投資しております。

オービス・インベストメントの特長は、運用実績のみならず、運用会社として「正道」を窮めるという精神にあります。例えば、パフォーマンスに連動した運用報酬体系は、お客様とオービスとの利害の一致を追求する姿勢の表れです。また、オービスではセールスのための部門を持ちません。「資産運用サービスは売るべきものではなく、買われるべきもの」という信念に基づくもので、お客様からお預かりする資産を守り、殖やすことに経営資源を集中的に投下するためです。日本に事業拠点を構える決断を下した背景には、日本の資産運用業界には、そのビジネス慣習、運用能力の質に大きな向上余地があり、当社がその一助となれるという自負があります。

オービス・ファンドに対するご興味の有無に拘らず、是非一度オービス・インベストメントの信念、組織原理に触れてみて頂きたいと考えております。



【オービス・インベストメントについて】

• CIO: ウィリアム・グレイ 

• 日本法人代表取締役社長: 時国司

• 設立年:1989年

• 従業員数: 409名(うち株式アナリスト38名)

• 運用資産: 4兆2,360万円

• 主な運用対象資産: 上場株式

• 投資哲学: 

o 本源的価値を大きく下回る株価で取引されている銘柄に投資。

o 綿密なファンダメンタル分析とコントラリアンな判断に基づく長期投資を強みとしています。

o 集中度の高いポートフォリオを構築しています。グローバル株式戦略における投資銘柄数は64(顧客資産残高約2兆7千億円)。

• 投資に関する意思決定プロセス:

o 弊社の株式アナリストは、一人ひとり、ペーパー・ポートフォリオ(擬似ポートフォリオ)を与えれられており、当該ペーパー・ポートフォリオのパフォーマンスによって、報酬や昇進が規定されます。お客様のポートフォリオは、ペーパー・ポートフォリオにおいて、長期に亘ってアルファを創出できると認められ、選ばれたポートフォリオ・マネージャー(現状5名)によって運用されています。



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 ニュースレター~オービス・インベストメントが見た世界の潮流~