日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超え、日本は世界でも前例のない超高齢化社会に突入しています。
超高齢化社会で避けては通れない問題、それは「認知症」です。
認知症になると、その患者さんはもちろん家族にも精神的・金銭的負担が重くのしかかります。
金銭的負担だけでも取り除こうと、太陽生命から「ひまわり認知症治療保険」が販売されていますが、今回はこの保険を徹底的にチェックしていきましょう。
ひまわり認知症治療保険の特徴は?
加入条件がかなり緩和されている
他の医療保険や生命保険では、「既往症がない」、「医師の診断書が必要」など、様々な加入条件が付いていますよね。
ひまわり認知症治療保険は、以下の条件を満たしているだけで申し込めます。
・ 入院中、あるいは入院の予定がない
・ 現在、肝硬変や悪性新生物(ガン)、妊娠に当てはまらない
・ 最近6か月以内に入院や手術をしていない
・ 過去2年以内に入院や手術をして、同じ原因で最近6か月以内に医師による治療や検査。投薬などを受けていない
・ 過去5年以内に悪性新生物で入院や手術をしたことがない
・ 認知症(軽度認知障害を含む)と医師に診断、またはその疑いがあると指摘されていない
・ 認知症が原因で、公的介護保険の要介護や要支援の認定を受けている(認定申請中も含む)
医師の診断書も必要ありませんし、過去にがんになっていても5年以上経過していれば保険に加入できます。
7大生活習慣病やシニア特有の疾病を補償
ひまわり認知症治療保険は、7大生活習慣病(ガン、心・血管疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧疾患、肝疾患、腎疾患)に加えて、シニアがなりやすい病気(老人性白内障、熱中症、脊椎障害)による入院や手術、放射線治療なども補償してくれます。
女性はそれに加えて、子宮筋腫や慢性関節リウマチなど、女性特有の7つの疾病もプラスして補償してくれます。
「骨折」も補償!
要介護の原因になりやすい骨折も補償してくれます。
器官性の認知症も補償
ひまわり認知症治療保険最大の特徴といえば、「器官性認知症に対する補償」でしょう。
器官性の認知症とは、脳の組織が変化しておこる病気のことで、主に以下の病気のことを指します。
・ 脳血管性認知症
・ パーキンソン病による認知症
・ クロイツフェルト・ヤコブ病による認知症
・ アルツハイマー型認知症
時間や場所、人物の認知ができなくなった時に補償されます。
保険金と掛け金の一例は?
ひまわり認知症治療保険の補償内容は、以下のようになっています。
支払う毎月の保険料は、10年契約では以下のようになります。
終身の場合、毎月の保険料は以下のようになります。
いずれの場合も、女性の方が支払う保険料が高いですが、これは女性の方が長寿命なこと、女性特有の疾病もカバーすることなどからだと思われます。
ひまわり認知症治療保険の注意点
1. 終身タイプは支払いも終身
終身対応は補償が一生続きますが、保険料の支払いも一生続きます。
他の保険とは異なり、終身保険の払込期間が定められていないのは厳しいですね。
2. 保険料が割高
加入条件が緩いため保険料が割高で、特に終身タイプは補償も手厚い分だけさらに保険料が高くなります。
3. 契約してから1年間は保険金が半額
契約をしてから1年以内に支払事由に該当しても、入院、手術、放射線治療の場合、保険金は半額しかもらえません。
4. 「認知症の一時金だけ」ということはできない
この保健は、「認知症の一時金」、「入院給付金」、「けがの給付金」がセットになっています。
保険金の金額を増減することはできますが、「認知症の一時金だけで他の補償はいらないから、その分保険料を安くしてほしい」と言っても、できません。
最後に
認知症に一時金が出るのは画期的な保険ですが、現在加入している医療保険などと重複がみられる場合もあります。
医療保険と重複している部分は補償を減らして保険料を節約する、などの工夫が必要ですが、素人では難しいので、第三者のファイナンシャルプランナーなどに相談するといいでしょう。(執筆者:角野 達仁)
情報提供元: マネーの達人