株や投資信託を売った利益の税金。源泉徴収ありの特定口座なら申告不要も選べる
株や投資信託を売った利益の税金。源泉徴収ありの特定口座なら申告不要も選べる

積み立ててきた投資信託を初めて売り、思っていたより利益が出たとき、うれしい反面、税金はかかるのか、自分で何か手続きが要るのかと戸惑う方もいるでしょう。売った利益にかかる税金と申告の手間は、取引している口座の種類と源泉徴収の有無で変わります。売る前に、自分の口座の設定を確かめておきましょう。

利益はほかの所得と分けて計算

国税庁の暮らしの税情報は、株式や投資信託などを売って譲渡益が出たときは、原則として確定申告が必要になるとしています。上場株式や公募投資信託は上場株式等に含まれ、その譲渡益は給与などほかの所得と分けて税額を計算します。この仕組みを申告分離課税といいます。

利益の額は、売った金額から、買ったときの代金などの取得費と委託手数料などを差し引いて求めます(国税庁 No.1463)。投資信託の解約や償還で受け取ったお金も、売った金額に含まれます。

国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)では、税率は所得税15%で、ほかに住民税5%がかかります。さらに所得税額に2.1%を掛けて計算する復興特別所得税もかかります。暮らしの税情報によると、令和9年分以後はこの部分が防衛特別所得税と復興特別所得税としてかかります。

口座の種類で変わる納め方と申告

証券会社などで上場株式等を売買する口座には一般口座や特定口座などがあり、どの口座で取引したかで手続きが変わります。特定口座では口座の中の損益を証券会社などが計算し、さらに源泉徴収をするか(源泉徴収あり)、しないか(源泉徴収なし)を選びます。

株や投資信託を売った利益の税金。源泉徴収ありの特定口座なら申告不要も選べる

源泉徴収ありを選ぶと、売るたびに譲渡益に応じた税金が差し引かれ、その口座の譲渡益は申告不要とすることができます。申告するかどうかは口座ごとに選べます。源泉徴収なしの特定口座は国税庁が簡易申告口座と呼ぶもので、証券会社などから届く特定口座年間取引報告書を使って簡便に申告できます。

気をつけたいのが切り替えの時期です。源泉徴収を選ぶ届け出はその年の最初に売る時までに出す必要があり、選択は年単位のため、年の途中で源泉徴収をやめる変更はできません(国税庁 No.1476)。

源泉徴収ありでも申告が要る場面

源泉徴収ありの特定口座でも、申告が必要になることがあります。国税庁は、その口座の売却の損益を他の口座の上場株式等の譲渡損益と相殺する場合や、上場株式等の譲渡損失を翌年以後3年間繰り越して差し引く特例を使う場合には、確定申告をする必要があるとしています。たとえば別の証券会社の口座で上場株式等の売却損が出た年に、源泉徴収ありの口座の利益と相殺したいなら申告が要ります。繰り越すときは、売買がなかった年も申告を続けなければなりません。

一方、NISAの非課税口座で取得した上場株式等を売って生じた譲渡益は、非課税とされています(国税庁)。

売る前に口座の画面で確かめたいこと

売った利益の扱いは、口座の種類と源泉徴収の有無で大きく分かれます。まず取引画面で、NISAの口座か、特定口座か、源泉徴収ありかなしかを確かめましょう。源泉徴収なしの口座で売ったときは、その年の取引の記録を残しておくと申告で慌てません。判断に迷ったら、税務署に相談してみてください。

「お金持ち」「資産家」「富裕層」はどう違う?高所得者との違いも整理

資産配分に迷ったら、公的年金の運用を見る。4資産に25%ずつ、ずれたら幅の中へ戻す

株主優待は配当と税の扱いが違う。個人が受ける優待は雑所得になる

情報提供元: マネーの達人
記事名:「 株や投資信託を売った利益の税金。源泉徴収ありの特定口座なら申告不要も選べる 」