相続登記は自分でも申請できる。法務局の様式で書類をそろえ、免税の土地も確かめる
親から実家の土地を相続し、名義を変える手続きは専門家に頼むものだと思い込んで、見積もりを前に迷っている方もいるでしょう。相続登記は、相続人が自分で法務局に申請することもできます。申請書の様式と記載例は法務局が公開しており、かかる登録免許税には免税になる土地もあります。手順と費用を知ったうえで、進め方を決めましょう。
戸籍集めから申請までの道のり
法務局の案内では、登記の申請は自分でするほか、司法書士に依頼することもできます。必要な書類と入手先は、遺産分割協議の場合、法定相続分の場合、遺言書がある場合に分けて法務局が一覧にしています。遺産分割協議で分けた場合の流れは次のとおりです。
戸籍の束と、10月から加わった国籍の欄
戸籍の証明書は、相続が始まったことと、ほかに相続人がいないことを示すために使います。婚姻などで戸籍が新しく作られていれば古い戸籍へさかのぼるため、何通にもなりえます。本人や配偶者、父母、子などの戸籍は、コンピュータ化されていない一部を除き、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。
戸籍の束と相続関係の一覧図を法務局に出すと、登記官が確認した一覧図の写しを無料で受け取れる法定相続情報証明制度もあり、相続登記では戸籍の束の代わりに使えます。
所有者になる人の住民票の写しも添えます(住民票コードを書けば省略可)。令和8年10月5日以降の申請では、登記名義人となる人の国籍等を申し出ることになりました。日本国籍の人は、相続人の戸籍の証明書で国籍を示せます。また、国内に住所がある申請人は、氏名のふりがな、生年月日、メールアドレス(ない場合はその旨)などの検索用情報についても申出が必要です。
申請先と、登録免許税がかからない土地
申請書と添付書面は、法務局の窓口に持参するほか、郵送でも出せます。オンラインでも申請できますが、戸籍の証明書は電子文書で発行されていないため、書面の添付書類は後から郵送か持参します。
申請には登録免許税がかかります。相続による所有権の移転の登記は、課税価格に1000分の4を掛けた額が原則です。課税価格には固定資産課税台帳の価格を使い、市区町村から毎年届く固定資産課税明細書で確かめられます(価格のない土地は法務局が認定)。
見落としやすいのが免税の措置です。法務局の案内では、不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記と、土地を相続した人が登記をしないまま亡くなった場合のその人名義への登記は、令和9年3月31日まで登録免許税がかかりません。たとえば、親が相続した土地の登記をしないまま親も亡くなったとき、親を名義人にする登記がこれに当たります。免税を受けるには申請書に根拠の法令の条項を書く必要があり、書かなければ受けられません。
期限のある手続きを、法務局の案内で進める
相続登記には、相続の開始を知り、かつ、その不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。令和6年4月1日より前に相続で取得したことを知っていた不動産については、原則として令和9年3月31日が申請期限です。遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内の登記義務もあります。戸籍をそろえ、法務局の様式と記載例を使えば、自分で申請する道も開けます。申請書の書き方で迷う点は、管轄の法務局の登記手続案内(予約制)で聞いてみましょう。
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