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株主優待の中には、100株あたり、わずか10万円未満で買える「低位株(ていいかぶ)」があります。
初心者には難しいと考えられていますが、メリットもあり、デメリットまでふまえて投資するならよいように感じます。
具体的な例を挙げながら、低位株とのつきあい方を紹介します。
※最低購入価格・配当利回りは2024年9月20日終値
※特定の金融商品の売買の推奨を目的としたものではありません。
※購入手数料は含まれていません。
※株主優待の数は楽天証券の検索によるもの
≪画像元:SMBC≫
株価水準が低い銘柄のことで、明確な定義はないものの「一般的には1単元(100株)の購入金額が10万円未満、つまり株価が1,000円程度を下回る」と低位株と呼ばれます。
低位株の例として、何を紹介するか迷うところですが、文教堂グループホールディングス <9978>、最低購入価格は6,300円、配当利回りは0%を紹介します。
≪執筆者撮影≫
文教堂グループホールディングスの株主優待は、店頭および株主専用優待サイトで商品購入時に割引になる優待です。
権利月は8月、2月です。
100株以上 … 5%割引
1,000株以上 … 7%割引
1万株以上 … 10%割引
≪画像元:Yahoo! ファイナンス≫
「株を買うのに6,300円でよい」と言われると、1万円未満しかかからず、本当かどうか疑わしく思ってしまいますが、文教堂グループホールディングスの株の場合は本当です。
文教堂グループホールディングス株価は1株あたり63円。
そして単元株数が100株なので、63×100=6,300円しかかかりません。
そのため、株価がたとえ0円になったとしても、「マイナス6,300円」までにしかなりません。
株には値下がりリスクもありますが、1株63円の低位株では「損失額は最大6,300円」です。
株にはリスクがあるからこそ、投資資金を早めに回収して、たとえ株価が0円になっても平気な状態にしておくことで「負けないシナリオ」を作ることができます。
100株、6,300円分を5%割引で「回収する」には…
「12万6,000円分使う」
株主優待が変更されたり廃止される前に、12万6,000円の本や文房具を文教堂で買えば「恩株」達成です。
12万6,000円の額は少しハードルが高いように思えますが、専門書など金額が高いものを買うタイミングで利用することなど考えてみるのもよいでしょう。
低位株が初心者向けではない点は、株主優待が変更される可能性がある点です。
実際、文教堂ホールディングスでも、過去、株主優待の変更があり、筆者はそのタイミングで売っています。
2021年9月には紹介した優待カード以外にQUOカードも選べる発表があり、100株では半期300円分(年間600円分)でしたが、その後、QUOカードペイのみが選択可などの経緯があり、現在の優待カードのみが株主優待となりました。
これらの経緯は改悪と言われました。
≪画像元:文教堂≫
現在の株主優待カードを文教堂グループホールディングスの店舗で利用しようと思った時、店舗は47都道府県にはなく、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、大阪府、奈良県、兵庫県の店舗に行かなくてはいけません。
ただし、株主専用優待サイトもあるため、これらの店舗が近くにないと言ってもまったく使えないわけではありません。
文教堂グループホールディングスは、書店チェーン大手。ただし、2019年に事業再生ADRを申請しています。
≪画像元:日本経済新聞≫
営業利益を見ても、売上高も右肩下がり。本・雑誌を売っても微益にしかならず、書店の経営が厳しいと言われていることから、書店の業界自体が厳しいと見る人もいます。
≪画像元:日本経済新聞≫
2023年8月の決算期の数字を見ても、2022年8月期よりかは上がっているものの、不安視される決算です。
また、チャートを見ても購入タイミングが難しいと思えるチャートです。
≪画像元:Yahoo! ファイナンス≫
文教堂グループホールディングスの株価チャートは、2年チャートでは2024年に入ってから上がっています。
≪画像元:Yahoo! ファイナンス≫
しかし、10年チャートでは約1/10の株価になっていることがわかります。
普通、好業績の株を保有すると、株価は右肩上がりになり、中長期保有をすることでキャピタルゲインも期待できるものですが、低位株は長く保有したからといって株価が順調に上がっていくとは言い切れないです。
だからこそ株主優待などで投資資金を回収できればよいなど、株価上昇をそこまで期待しない状態で納得できるかどうかを考えなくてはいけません。
低位株は初心者には難しいものですが、「6,300円で文教堂の本などが5%割引の株主優待カードがもらえ、そんなに利用しなければ株を売る」なんてこともできるわけで、柔軟な発想次第でリスクのある低位株にも飛び込んでいける気がします。
また、12万6,000円分使えば恩株。株主優待で投資資金を回収できるか考えて、納得の上で挑戦してみるならよいのではと筆者は考えています。筆者も、営業利益が悪くても株主優待をもらい続けることで恩株になりそうな銘柄にも投資して、株主優待ライフを楽しんでいます。
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