キャッシュレスの世界はすっかりQRコード決済が主役になりましたが、便利な決済は他にもあります。

少々影の薄くなってきたタッチ式電子マネーについて、お得になる順位を付けてみます。

各電子マネー、世間のイメージ以上に実力は相当に違います。

PayPay「墨田区30%還元」は地元飲食店やスカイツリーで使おう エリアごとの使えるお店紹介

電子マネーのデメリットと克服、最も有利な使い方へ

この記事で取り扱うのは次の電子マネーです。

  • モバイルSuica
  • 楽天Edy
  • nanaco
  • WAON

利便性の順に並べました。

ポストペイ式(チャージ不要)のiD、QUICPayについては触れません。

これらも電子マネーですが、クレジットカード即時決済のため、事実上「タッチ決済」の一種です。

モバイルで使える交通系電子マネーには関東私鉄系のPASMOもありますが、PASMOはカードタイプで定期券を使い、定期券以外のシーンでモバイルSuicaを使うことをおすすめします(モバイルで両方を使うこと自体は可能)。

電子マネーのポイント

・ 電子マネーの使いみちは限られてきたが、まだお得なシーンがある

・ モバイルSuicaに関しては、日常での決済でQRコード決済を凌ぐシーンが多い(ただしチャージ方法次第)

・ nanacoの役立つシーンは限定されているし、それほど得ではない

・ WAONはイオンユーザーであっても、使わなければならないアイテムではない

電子マネーの現在地と、お得になる仕組み

電子マネーはタッチで支払えるため、操作性は快適です。

登場時は面倒なイメージのあったQRコード決済を多くの人が使いこなしている現在、タッチ程度の利便性だけでは勝負できません。

2023年における、電子マネーの現在地を確認します。

Suicaの優位性は薄れているのか

電車・バスにタッチで乗れるSuica等の交通系電子マネーですが、その牙城も脅かされているとしばしば言われます。

すでにシェアはPayPay等のQRコード決済に抜かされ、そして本来の領域である交通にも新たなアイテムが登場しました。

地方で徐々に普及してきた、VISAカードで電車・バスに乗れる実証実験が多くなり、ついに関東でも東急電鉄が始めることが報道されています。

しかし実際のところ、通常の買い物でこそSuicaが役立ちます

「クルマで移動しているのでSuicaなんて関係ない」ということではありません。

電子マネーはクレジットカードと組み合わせてお得になる

電子マネーは登場が古いので、使い方が人により千差万別です。

次の両極端の使い方をする人にとって、電子マネーはまるで別個の存在に映るのではないでしょうか。

現金でカードタイプの電子マネーにチャージ

使用理由:ポイントがついてお得と考える

電子マネーとはクレジットカードと比較して選んでいる程度の存在です。

たとえば「イトーヨーカドーのnanaco現金チャージ機で2万円チャージすると100ポイントがもらえる」(還元率0.5%)というサービスなどもありますが、キャッシュレス派を名乗ることはできないでしょう。

クレジットカードからモバイル電子マネーにチャージ

使用理由:クレジットカード直接決済よりも有利になる

クレジットカード直接決済よりも大きな利益を得るため、クレジットカードと協力して使うべきものです。

この記事は、こちらの使い方をする人におススメです。

実際にはこの中間に、「カードタイプ電子マネーにクレジットカードからチャージ」して使う方法もありますが、利便性は「クレカから電子マネーにチャージ」より大きく低下します。

クレジットカードとの組み合わせが少なくなってきた

現時点における電子マネーの大きな問題点です。

  1. 「チャージ」でクレジットカードのポイントがたまる
  2. 「決済」で電子マネーのポイントがたまる

この両方が適用された場合に「Wポイント」となりますが、両方適用される組み合わせが減少してきています。

全体から見ればごく一部の組合せが、電子マネー利用の生命線となっている実態があります。

もっともWポイント消滅はQRコード決済にも等しく見られることで、電子マネーだけのデメリットではありません。

 

電子マネーのお役立ち度ランキング

4つの電子マネーを、順位を付けて見ていきます。

1位:モバイルSuica

QRコード決済をしのぐシーンが多い

いまだにSuicaは関東・東日本エリアのものと思っている全国の方も多いかもしれません。確かに東日本エリアで使うほうが有利ですが、全国で使えるアイテムです。

西日本ではモバイルICOCAの近日開始がアナウンスされていますが、モバイルについては当面Suicaがおすすめです。

Suicaは基本、JR東日本の電車利用、駅ビル駅ナカ利用を除いてWポイントにはなりません。通常利用時のポイントがないためです。

チャージ時ポイントの大きいクレジットカードとの組み合わせなら、次の通り還元率が大きな数字となります。

  • ビューカード … 1.5%
  • エポスゴールドカード … 1.5%〜2.5%(「選べるポイントアップショップ」登録と、年間100万円利用による)
  • (Android限定)Orico Card THE POINT(Mastercard)からau PAYにチャージ、さらにau PAY残高を、「au PAYのSuica」にチャージ … 1.5%

上記3枚をおすすめします。

ビューカードのラインナップでは、年会費実質無料の「ビックカメラSuicaカード」が人気があります。

クレジットカードや、多くのQRコード決済をしのぐ数字が出るため、日常使いには圧倒的に有利です。

モバイルSuicaが1位です。

2位:楽天Edy

Suicaにやや劣るが、便利な使い方もある

老舗の電子マネー「楽天Edy」は、次の点がデメリットです。

  • Apple Pay非対応
  • 加盟店は多いが、交通系に追いつかれて久しい

Androidユーザーにはなかなか便利ですが、還元率の点でも次の通り、もうひとつです。

  • 楽天カードからチャージ … チャージ0.5%+利用0.5%
  • 楽天キャッシュからチャージ … 楽天キャッシュチャージ時0.5%+利用0.5%

楽天キャッシュからのルートができた(2022年10月より)のは朗報です。

楽天キャッシュは楽天カードからしかチャージできないので、個人で利用する場合はあまり意味がありません。

ただし、楽天キャッシュは他人に送金できます。このため、「未成年の子供に送金して楽天Edyを使わせる」という使い方が生まれています。

今までも可能ではありましたが、「保護者の楽天カードから子供の楽天Edyに直接チャージ」となり、カードの規約上微妙な点がありました。

楽天キャッシュでお小遣いを渡しておいて、子供の側で「楽天Edyにチャージして使う」「楽天ペイで使う」という選択肢が生まれています。

特殊な組み合わせで還元率は上がる

楽天Edyの還元率は、かなり特殊な組み合わせでは伸ばせます。

  • リクルートカード(VISA、Mastercard)からチャージ … チャージ1.2%+利用0.5% ※チャージ月3万円まで
  • エディオンカードからチャージ … チャージ1.0%+利用0.5%

前述のモバイルSuicaで取り上げた「エポスゴールドカード」なら、年間100万円利用を前提に「チャージ1.5%+利用0.5%」です。

モバイルSuicaならチャージで2.5%となるので、やはり負けています。

楽天Edyは、Android限定のモバイルではなく、楽しいフィギュア(きゃらぺいっ!)で使ってみたらいかがでしょうか。

3位:nanaco

得になるシーンは少ない

セブングループの電子マネーnanacoは、瞬時に終了した7Payが登場した2019年に利用還元率が切下げられ、それ以来お得なアイテムではなくなっています。

現在はクレジットカードの「セブンカード・プラス」と組み合わせて「チャージ0.5%+利用0.5%」が基本です。

次の使い方以外は、決して得ではありません

  • セブンカード・プラス利用でたまったポイントをチャージして使う
  • イトーヨーカドーで毎月8の日に5%オフ
  • イトーヨーカドー、セブン-イレブン等で特定商品購入の際にボーナスポイント
  • セブン-イレブン店頭で、公共料金や代行収納、切手等の代金を支払う(支払いでポイントは付かないが、チャージ時にポイントが付与され得をする)
・ イトーヨーカドーの8の日以外はモバイルSuicaが(関東圏で利用時0.5%

・ セブン-イレブンの特定商品以外は「三井住友カードタッチ決済」(5.0%〜10.0%還元

・ 三菱UFJカード(5.5%還元

のほうがお得です。

セブングループで常にnanaco(やセブンカード・プラス)を使っている人は、損をしています

最後の「公共料金」等の支払いも、QRコード決済にその座を脅かされていますが、コンビニ払いの「代行収納」ではメリット健在です。

筆者も、このとっておきのシーンがあるので、セブンカード・プラスとnanacoをたまに活用しています。それ以外では、使いません

 

4位:WAON

いらない(イオンカードセレクトユーザーを除く)

オートチャージによりチャージ時ポイントのたまる、イオンカードセレクト(イオン銀行一体型カード)ユーザーを除くと、イオンおよびイオンカードのヘビーユーザーであっても、WAONはほぼ使わずに済ませることができます。

WAON利用時の還元率は、イオングループ内でもほぼ、イオンカードと同一です。

WAONだけポイントが優遇される日も若干ありますが、「チャージの手間」「機会損失の程度」など考え合わせると、ごくささやかと考えます。

イオンカードでたまったWAONポイントは、スマホアプリの「イオンPay(iAEON)」で使うのもいいのですが、「dポイント」に等価交換するのがおすすめです。

 

電子マネーはモバイルSuicaがあればいい

楽天Edyも悪くないのですが、あらゆるシーンでことごとくモバイルSuicaに負けてしまいます。

子供のキャッシュレスお小遣いと、フィギュア(きゃらぺいっ!)で使える点はいいでしょう。

それ以外は、nanacoでたまに利用シーンがあるのを除けば、Suicaの独壇場と言っていいでしょう。

QRコード決済各種にも勝てるアイテム、モバイルSuicaについては今後も要注目です。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)

楽天ギフトカード1万円で1000万円分ポイント山分け いつ、どこで買う?お得4重取り攻略法紹介

電子マネーとクレジットカードはどっちがお得か 違いや使い分け方伝授

【ローソン】2月の「お試し引換券」対象商品と注目商品紹介 1月の節約効果は23,486円

情報提供元: マネーの達人
記事名:「 2023年のタッチ式電子マネーランキング QRコード決済にも勝てる最強電子マネーは…