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税務調査で質問される内容は、税金の種類によって異なります。
事業を行っている人の調査(所得税)であれば、帳簿や管理している資料は確認しますし、どの銀行をメインバンクとして利用しているかも聞かれます。
相続税調査では亡くなった人の性格や交流関係、お金の使い道も聞かれますし、調査担当者からの質問は相続人に関するものも多いです。
調査とは関係のないと思われる質問でも、実は調査項目を間接的に確認する目的があったりするので、調査担当者がまったく無関係な質問をしてくることはないです。
税務調査は納税者を調べるだけで終わることはありません。
取引している業者がいれば、事実関係を確認するために相手先へ聞き取り調査することもありますし、お金の流れを確認するために金融機関への調査は日常茶飯事です。
家族で事業を行っている場合は、勤務実態の有無や売上除外していないかを調べるために、親族名義の口座をチェックすることもあります。
税務署であっても、調査に必要のないことまで調べることはできませんが、調査に必要であると判断すれば、調査担当者は家族全員の銀行口座のすべてを調べることもあります。
税務調査では、最初から帳簿などを調べるのではなく、世間話からスタートします。
本当に何気ない会話をすることもありますが、実際には調査事項を確認するために話を誘導していることもあります。
不必要なことまで話していると、後々話した内容について再度聞かれることもあるので、聞かれた質問に対してのみ回答するのが無難です。
また調査担当者は世間話の中で登場する金融機関や人をメモし、関連性を調べたりします。
世間話で申告書や帳簿上に登場しない銀行の名前が出れば、そこにお金が流出する可能性もありますので、小さな出来事でも疑問点があれば、税務署は解決するまで調べることを止めません。
「別居している家族のことまで調べるのはおかしい。」そのような声を耳にしたことがありますし、「こんなところまで話さなければいけないのか」と言われた経験は私自身もあります。
申告書の提出件数から考えれば、脱税している人の割合はごく僅かですし、質問の多くは事実関係を確認するためのものです。
しかし脱税する人は、「こんなところには隠していない」という場所を隠れ蓑としていますので、税務署は関係者についてもくまなく調べます。
申告内容をごまかしていなければ、脱税の指摘を受けることはありませんが、税務調査で嘘の回答をすれば、重加算税が課される可能性もあります。
そのため調査担当者からの質問には嘘をつかず、正直に回答するようにしてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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