16日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比176.57ポイント(0.61%)高の28969.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も121.62ポイント(1.12%)高の11027.51ポイントとそろって反発した。売買代金は1431億7300万香港ドルに拡大している(15日は1245億1000万香港ドル)。


外部環境の改善が買い手掛かり。昨夜の米株市場では、米景気指標の上振れを受け、主要指標のNYダウが史上最高値を更新した。朝方に中国経済指標が発表されると、指数はマイナス圏に下げる場面も見られたが、下値は堅く再びプラス圏に浮上。この日の本土株が堅調な値動きとなったこともあり、後場には上げ幅をやや広げる動きとなった。


取引時間中に公表された1〜3月期の中国GDP成長率は18.3%となり、前四半期(20年10〜12月)の実績(6.5%)を大幅に上回ったが、市場予想(18.5%)には届いていない。同時に発表された3月の経済指標に関しては、小売売上高が予想を上回る半面、鉱工業生産が下振れるなどまちまちの内容だった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.1%高で値上がり率トップ。同社は15日、電気自動車の新ブランド「Zeekr」の量産モデルを発表。シティグループは同ブランドについて、テスラの人気車種「モデル3」の直接の競合先になると分析している。


他の指数構成銘柄では、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が3.0%高、中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が2.3%高と通信キャリアの上げが目立った。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.1%値上がりするなど、エネルギー株の一角も高い。


半面、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)は1.0%安と、指数構成銘柄の中で下げが目立った。新疆問題を受け、中国でナイキなど海外スポーツ用品ブランドへの反発が高まるなど、安踏を含む国産ブランドに注目が集まるとの見方で足元上昇していた。


セクター別では航空が高い。中国東方航空(670/HK)が2.2%高、中国国際航空(753/HK)と中国南方航空(1055/HK)が各1.5%高で引けた。足元の旅客回復が好感されたほか、来月のメーデー連休に伴う需要増が期待されている。


本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.81%高の3426.62ポイントで取引を終了した。自動車株、石炭株、不動産株、建材株、酒造株など幅広い銘柄が買われている。半面、非鉄金属株、農林水産株の一角は売られた。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.6%高と反発、中国経済指標への反応薄