週明け1日の香港市場は大幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比771.05ポイント(3.36%)高の23732.52ポイントと4日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が272.80ポイント(2.85%)高の9833.83ポイントと続伸した。売買代金は1507億5300万香港ドルにやや縮小している(5月29日は1789億3700万香港ドル)。

米中対立の過度な警戒感が後退する流れ。香港法制を巡っては、「米中の通商合意を損なう事態には発展しない」との見方だ。トランプ米大統領は先週末の記者会見で、香港の統制を強化する「香港版国家安全法」の制定方針が中国で採択されたことに抗議し、香港に対する優遇策を撤廃するよう政権に指示したと発言した。その一方、「第1段階」の通商合意を維持する姿勢を示している。

中国経済の持ち直しも期待された。取引時間中に公表された民間集計の5月・財新中国製造業PMIは、予想(49.6)を大幅に上回る50.7に改善。先週末に発表された同月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は50.6となり、予想(51.1)をやや下回ったものの、景況判断の境目となる50は3カ月連続で上回っている。指数は中盤から上げ幅を広げた。

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が6.7%高、不動産デベロッパー香港大手の新鴻基地産発展(16/HK)が6.1%高、香港不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が6.0%高、

セクター別では、中国の不動産が高い。合景泰富集団HD(1813/HK)が7.2%、中国恒大集団(3333/HK)が6.0%、中国海外発展(688/HK)が4.7%、龍湖地産(960/HK)が3.6%ずつ上昇した。公共工事拡大の期待が根強い。全国人民代表大会(全人代)で行った政府活動報告では、2020年に全国の都市部3万9000カ所の老朽化住宅の改修工事を着工する計画が改めて打ち出されている。

空港・空運セクターも急伸。海南美蘭国際空港(357/HK)が10.7%高、北京首都国際機場(北京国際空港:694/HK)が3.7%高、中国南方航空(1055/HK)が4.7%高、中国東方航空(670/HK)が4.6%高で引けた。海南美蘭国際空港に関しては、業務拡張の期待が高まっていることも追い風。第2期拡張工事で完成した滑走路は、本日朝方に離着陸テストが実施された。

半導体やスマートフォン部材などハイテク関連も物色される。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が8.0%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が4.6%高、華虹半導体(1347/HK)が4.2%高、舜宇光学科技(2382/HK)が5.5%高、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が5.3%高と値を上げた。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.21%高の2915.43ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引する。消費関連株、ハイテク株、不動産株、医薬品株、自動車株、海運株、インフラ建設関連株など幅広く買われた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 1日の香港市場概況:ハンセン3.4%高で4日ぶり反発、米中対立の過度な懸念薄らぐ