10日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比2.27ポイント(0.07%)高の3241.93ポイントと3日ぶりに反発した。上海A株指数も上昇し、2.41ポイント(0.07%)高の3395.70ポイントで取引を終えている。

海外マネーの流入期待が根強い。本土・香港間の株式相互取引を通じた9日の売買では、香港経由の本土株売買が再び買い越しに転じた。指数算出の米MSCIは2月28日、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を3段階に分けて5→20%に引き上げると発表。まず5月に10%まで引き上げると説明した。また、中国が経済重視のスタンスに舵を切るなか、景気持ち直しの期待感も強まっている。もっとも、上値は重い。中国ではあす以降、主要経済指標が集中して発表される予定だ(11日に3月の物価統計、12日に貿易統計、17日に鉱工業生産や小売売上高、第1四半期GDP成長率など)。結果を見極めたいとするスタンスも漂った。指数は一時マイナス圏で推移している。

業種別では、自動車が高い。長城汽車(601633/SH)が6.4%、広州汽車集団(601238/SH)が3.6%、上海汽車集団(600104/SH)が2.3%ずつ上昇した。全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)は9日、「今年3月の乗用車販売は前年同月比で12%減少した」と報告する一方、「4月には回復する」と予測している。最大手の上海汽車集団は9日引け後、今年3月の新車販売が前年同月比で1割減少したと発表。朝方は小安く推移したものの、程なくプラスに転じた。

食品・飲料株も上げが目立つ。白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が4.8%高の947.99人民元と続伸し、連日で上場来高値を更新した。年初からの上昇率は60%を超えている。このほか医薬品株、運送インフラ株、消費関連株の一角も買われた。

半面、金融株はさえない。なかでも証券が安く、中国銀河証券(601881/SH)が4.4%下落した。資源・素材株、不動産株、ハイテク株、運輸株なども値下がりしている。

一方、外貨建てB株の相場はまちまち。上海B株指数が1.15ポイント(0.36%)安の316.08ポイント、深センB株指数が3.00ポイント(0.28%)高の1082.06ポイントで終了した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 上海相互い0.1%高で3日ぶり反発、自動車セクターに買い