27日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比23.14ポイント(0.08%)高の28804.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が26.07ポイント(0.24%)高の11047.42ポイントとそろって反発した。売買代金は654億8400万香港ドルに縮小している(26日の売買代金は813億6800万香港ドル)。

中国の政策期待が強まる流れ。米国との貿易摩擦で景気の下振れ圧力が強まっていることを背景に、中国人民銀行(中央銀行)は金融緩和スタンスに舵を切っている。貸し出しの拡大を促すため、一部市中銀行を対象に当局は資本要件を緩和するもよう——と伝えられた。ただ、上値は限定的。米中首脳が貿易問題で互いにけん制する発言を繰り返すなか、双方の通商交渉は難航すると不安視された。米欧が通商問題で歩み寄りをみせたことを受け、米政権は中国により強硬スタンスで臨むとの観測も流れている。指数はマイナス圏で推移する場面も目立った。

業種別では、ゼネコンや建設素材、建機などインフラ関連が高い。中国中鉄(390/HK)が3.2%、中国交通建設(1800/HK)が3.0%、中国鉄建(1186/HK)が2.2%、華潤水泥HD(1313/HK)が3.5%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.2%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が5.3%、鞍鋼(347/HK)が5.0%、中聯重科(1157/HK)が3.2%ずつ値を上げた。国務院(内閣に相当)は23日の常務会議で、インフラ建設を推進するスタンスを示している。事業の拡大が意識された。

消費関連セクターも物色される。食品・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が5.1%高、同業の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.4%高、食肉・ハム加工の中国雨潤食品集団(1068/HK)が1.9%高、家電量販チェーンの国美零售HD(493/HK)が3.7%高で引けた。

石炭セクターもしっかり。中国神華能源(1088/HK)が3.3%高、中国中煤能源(1898/HK)が2.5%高、エン州煤業(1171/HK)が1.6%高と上昇した。石炭分野の供給サイド改革は下半期から加速する見通しという。

半面、本土系不動産セクターの一角はさえない。首創置業(2868/HK)が2.0%安、広州富力地産(2777/HK)が1.6%安、碧桂園HD(2007/HK)が1.2%安、万科企業(2202/HK)が0.8%安と下落した。各地で不動産引き締めの動きが広がっていることをネガティブ材料視している。

本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%安の2873.59ポイントで取引を終えた。空運株が安い。ハイテク株や医薬株、非鉄株、自動車株、銀行株なども売られた。半面、内需関連の食品・飲料株や小売株はしっかり。「供給サイド改革」関連の石炭株、鉄鋼株、セメント株なども物色されている。不動産株の一角や、保険株なども買われた。


【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で反発、インフラ関連セクターに買い