週明け7日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比67.76ポイント(0.23%)高の29994.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が75.79ポイント(0.64%)高の11966.41ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は954億8600万香港ドルとやや低水準が続いている(4日の売買代金は989億5000万香港ドル)。

内外環境の改善で買われる展開。先週末の米株市場で主要指数が大幅上昇したことや、原油相場が3日続伸したことが好感された。米中貿易戦争の警戒感も目先後退。3~4日にかけて北京で開催された初の米中通商協議は、両国の主張に隔たりがあり平行線のまま終了したものの、対話を継続することで合意した。中国の国営メディアは通商協議に関し、総じて肯定的な評価を報じている。

ハンセン指数の構成銘柄では、エネルギー関連の上げが目立つ。石油大手3社の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.1%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.7%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.2%高、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が1.5%高で引けた。

段ボール原紙など紙・パルプセクターも高い。玖龍紙業(2689/HK)が5.0%、山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が3.6%、理文造紙(2314/HK)が2.0%ずつ値を上げた。1~4日にかけて、中国各地の紙メーカー32社が値上げを相次ぎ宣言したことが刺激材料。利ザヤが向上すると期待された。

半導体セクターもしっかり。華虹半導体(1347/HK)が2.8%高、上海先進半導体製造(3355/HK)が2.3%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.2%高と上昇した。産業支援策の期待が強まっている。「中国当局は半導体業界の育成促進のため、約3000億人民元の新規ファンドを準備している」と外電が関係筋情報として伝えた。

医薬セクターも物色される。広州白雲山医薬集団(874/HK)が6.6%高、石薬集団(1093/HK)が5.9%高、中国生物製薬(1177/HK)が2.7%高、中国神威薬業集団(2877/HK)が1.9%高、四環医薬HD集団(460/HK)が1.6%高と買われた。石薬集団に関しては、株価指数を算出するハンセン・インデックシズが四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しで、同社株を6月4日付でハンセン指数の構成銘柄に採用すると発表したことが支援材料だ。
半面、指数構成銘柄から除外されたPC世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)は3.2%安と急落している。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.48%高の3136.64ポイントで取引を終えた。幅広く買われ、上海総合指数の構成銘柄は9割超が上昇。なかでも保険株の上げが目立っている。紙・パルプ株やIT関連株も高い。エネルギー株、消費関連株、非鉄株、不動産株、自動車株、バイオ医薬関連株なども買われた。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で4日ぶり反発、石油・石炭セクターに買い