a) ソーシャルメディアマーケティング事業 ソーシャルメディアマーケティング事業では、同社設立直後の2014年に代理店契約を締結した米国Quidの製品を中心に取り扱っている。主力の「Quid Monitor」はクラウドベースのハイエンドなソーシャルリスニングツールで、強みは、XやFacebook、Instagram、YouTubeなど正式に使用契約した豊富なソーシャルメディアデータを、圧倒的な処理スピードで様々な角度からリアルタイムに分析できる点にある。また、50ヶ国以上の言語に対応しているうえ、標準装備のAPI(Application Programming Interface)によって簡単に他のシステムと連携できる点、さらに、キーワードだけでなく人(アカウント)に着目した分析によって従来のソーシャルリスニングツールでは難しかったビジネスへの関連付けが容易な点も強みである。これまでに累計100社を超える企業に導入されてきた実績がある。「Quid Monitor」のほか、競合企業のSNSアカウントの分析ができる「Quid Compete」(旧 「Rival IQ」)やテキストデータからインサイトを導く「Quid Discover」(旧 「Quid」)などのラインナップがある。また、Quidの製品は独自の生成AI機能を搭載するなどアップグレードを続けているため、優位性が一層高まってきたようだ。さらに、2024年5月に新たに自社開発の「TDSE KAIZODE」をラインナップに加えた。「TDSE KAIZODE」は、国内ローカルニーズにも適応できる多様な分析機能や、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を組み合わせた最新ロジック機能に特徴がある。
b) カンバセーショナルAIソリューション事業 カンバセーショナルAIソリューション事業では、ドイツのベンチャー企業Cognigy GmbHの対話型AIプラットフォーム「Cognigy」や、同社が独自開発した国内初の生成AI「QAジェネレーター」などの製品を扱っている。「Cognigy」は、最先端の自然言語処理と自然言語理解技術を強みとしており、20以上のチャネルと30以上の業務システムにつなげるコネクターを装備し、短期間で拡張性の高い対話型AIを開発することができる。多言語対応のバーチャルエージェントは100ヶ国語以上をサポートし、OpenAI LPの「ChatGPT」や「QAジェネレーター」などの生成AIと連携、自然言語処理の精度向上に必要な膨大な学習用QAを自動生成することができる。ビジネスユーザーが簡単に開発できるローコード仕様になっているため、欧米では自動車メーカーや銀行、航空会社など500社以上の有力企業が導入している。一方「QAジェネレーター」は、規程やマニュアルなどのドキュメントから膨大な組み合わせのFAQを独自AIで自動生成することができる。現在、LLMの回答精度向上に向けたRAG※に対応するなど、機能アップに向けて積極的に開発を進めている。また、直近では、米国の生成AIアプリ開発企業LangGenius,Inc.と国内初のパートナーシップを組んで導入した、多様なLLMに接続が可能でRAGによるナレッジ機能や外部ツールとのAPI連携ができる生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」の取り扱いも開始した。