■業績動向

1. 2021年9月期の業績概要
インタースペース<2122>の2021年9月期の連結業績はインターネット広告事業の低迷により、売上高で前期比7.0%減の23,142百万円と2期連続の減収となったものの、営業利益で同7.0%増の483百万円、経常利益で同28.8%増の624百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同65.3%増の427百万円と、いずれも増益に転じた。また、2021年5月に発表した会社計画に対しても、利益ベースでは上回って着地している。インターネット広告事業は減益が続いたものの、メディア運営事業の伸長によりカバーした。

売上原価率は、売上構成比の変化により前期比2.9ポイント改善して78.0%となった。一方、販管費率は同2.6ポイント上昇の19.9%となり、金額ベースでも293百万円増加した。増減の主な内訳を見ると、人件費を除く固定費はテレワーク体制の導入に伴う本社オフィス縮小などにより119百万円減少したものの、人件費が37百万円増加したほか、ストアフロント事業における継続課金型商材の売上増加に連動した決済手数料が316百万円増加した。また、広告宣伝費も50百万円増加している。このほか、2021年9月期末の連結従業員数は、採用を絞り込んだことにより前期末比23名減の423名となった。

営業外収支については107百万円改善したが、これは主に持分法投資利益の増加52百万円、為替差損の縮小33百万円、投資事業組合運用益の増加14百万円によるものである。また、特別利益として、ペットメディア「mofmo」の事業売却益18百万円を計上している。

四半期業績の推移を見ると、2021年9月期第1四半期を底にして第2四半期以降は持ち直している。アフィリエイト広告売上が戻り切っていないため回復力は鈍いものの、第3四半期以降は売上高、営業利益ともに前年同期比で増収増益に転じており、先行きに関してもやや明るくなってきていると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


<NB>
情報提供元: FISCO
記事名:「 Iスペース Research Memo(3):2021年9月期は、メディア運営事業の成長により2期ぶりの営業増益に転じる