a) JTRB キャンペーンや新商品投入効果により、預金残高は1,166億円(2021年9月末)と増加傾向にあり、COF(Cost of Funds)は2.6%と低位で推移している。また、貸出残高も法人向けを中心に拡大傾向が持続しており、9月は997億円となった。一方で、NPL比率は0.50%と引き続き低位安定で推移している。
トピックスとしては、世界中の銀行、保険、証券等をカバーする出版社であるGlobal Business Outlookより、パフォーマンス、イノベーション、業界の価値創造に意欲的な企業を表彰する「Most Customer Centric Bank Cambodia 2021」を受賞したことが特筆される。JTRBの顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、オンラインブランドの存在感、さらに同行が果たしている社会的責任など、顧客第一主義の経営姿勢が高評価されたと言える。
b) BJI 長期間にわたって預金保険機構の管理下にあったBJIについては、同社グループでは最優先課題の1つとして再生に取り組んでいる。これまでに、同行の増資を行うとともに、不良債権の回収に特化した新会社Jトラストインベストメンツインドネシア(以下、JTII)を設立して、同行から不良債権を切り離して譲渡することにより、財務体質の改善を図るなど銀行再生を加速してきた。この結果、預金残高は2020年6月の854億円を底に増加傾向に転じており、2021年9月には1,138億円となった。大口の高金利預金から小口の低金利預金への誘導策が奏功し、COFは4.84%と過去最低水準をさらに更新した。また、コロナ禍の状況を踏まえ、一部の貸出先への選択的かつ慎重な貸出を継続しているものの、資金需要は強く、貸出残高は増加傾向にある。9月には不良債権の回収が進んだことに加え、貸出残高が677億円に増加したこともあり、NPL比率は4.64%へ低下している。
c) JTO マルチファイナンス会社のJトラストオリンピンドマルチファイナンス(以下、JTO)は、オートローン業界の老舗として高い知名度があるが、コロナ禍に伴う市場の変化を考慮し、2020年4月以降は農機具ローンと小口のマイクロファイナンス以外の新規貸付を一旦停止し、慎重な与信スタンスを継続するなど、戦略的に貸付を抑制していることから貸付残高は減少傾向にある。この結果、NPL比率は上昇しているが、貸倒引当金控除後のネットNPLは2.65%にとどまる。