「Beyond the Internet Advertising」をスローガンに掲げ、中小企業や地方企業を中心にインターネット広告に関する最新の情報と広告運用を提供しているイーエムネットジャパン<7036>。2019年12月期も78.5億円と5期連続で増収となり、過去最高売上を達成した。事業の柱は、検索連動型広告(リスティング広告)と運用型ディスプレイ広告。顧客の4割が地方であり、業種は多岐に及ぶ。

10階を訪れると、受付に着く前に、多くの社員の方から「おつなぎしましょうか」と声をかけられた。取材時にそのことをお話すると、山本 臣一郎(やまもと しんいちろう)社長は答えられた。
「実は当社は、そこから教育しているんです。来社されたお客様にはきちんとご挨拶をしましょう、と。そうした人間としての教育が大切だと考えています。当社はITを使った広告代理店ですが、AIの時代だからこそ、人と人の関りが大切になってくると考えています。」

2018年9月に東証マザーズに上場後、一番効果があったのが新卒の採用であった。直近3年間の新卒採用実績は、2018年度が9名、19年度が22名、今年が30名(予定)になる。中途採用は実施していない。厳しい広告業界において、離職率は業界平均を下回っている。同社は韓国のEMNET INCが筆頭株主であるが、経営の舵取りは日本に任されており、独立性が高い。 新入社員の教育カリキュラムもこの日本独自で開発し、磨きをかけてきたものだ。

「最近の若者は電話恐怖症だという記事も目にしますが、そんな風になってほしくない。またそれでは、広告の企画、設定、運用、効果分析の全プロセスを一人で担当する当社の営業は勤まりません。当社の新入社員は地方の出身者が多いのですが、地方でも人間関係が希薄になっているんですね。私も東北の出身ですが、せめて社内の雰囲気をひとつのコミュニティのようにしたいと考えています。」

今年最も注力するのが、「LINE」の新規営業だ。YAHOOとLINEの統合は、同社にとっても広告枠の獲得などプラスの影響ばかりだと言う。2月18日には、「LINE」上で広告配信をしたり、クーポンなどを顧客ニーズに合わせてサポートするパッケージサービスをリリースした。東京本社内にコールセンターを設置し、新規営業を強化している。
地方の中小企業のデジタルシフトへの移行がますます進む中で、同社の成長余地は大きい。
「テレワークへの働き方への移行など環境変化は激しいですが、堅実に自分たちのスピードで成長していきたいですね」と語る山本社長は自信にあふれていた。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 イーエムネットジャパン---IPO企業 社長の横顔