■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
天昇電気工業<6776>の2020年3月期の連結業績は、売上高17,800百万円(前期比1.0%増)、営業利益1,000百万円(同5.4%増)、経常利益960百万円(同1.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益630百万円(同6.9%増)が予想されており、期初予想と変わっていない。

売上高は、引き続き自動車向けが好調に推移する見込みであるが、不透明要因も多いことから、全体として慎重な予想となっている。会社によれば、「最低限達成可能な予想」とのことであり、今後の状況次第では上方修正の可能性もありそうだ。

また2020年3月期の設備投資額は矢吹第2工場新設を除いて約1,000百万円(前期865百万円)、減価償却費1,350百万円(同1,300百万円)、梱包資材関連の投資(経費処理)は約100~200百万円が見込まれている。自己株式の売却によって得られた資金174百万円はこれらの設備投資に充当する予定だ。

2. 矢吹第2工場新設を発表
同社は、国内の主力工場の1つである福島県の矢吹工場の生産能力を大幅に拡大する設備投資計画を発表している。

着工は2019年6月、竣工は2020年6月の予定で、その後順次機械を導入(設置)して生産能力を高めていく。総投資額は2,100百万円が見込まれており、自己資金、借入金等で賄う予定である。このような大幅な生産増の投資に踏み切ったことは、同社の経営姿勢が攻めに転じたことの表れであり、今後の動向は多いに注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 天昇電 Research Memo(5):先行き不透明感から利益は横ばい予想