■今後の方向性

イグニス<3689>は、前期(2017 年9月期)より、2020年9月期を最終年度とする中期経営計画をスタート。ミッションである「次のあたりまえを創る。何度でも」に基づき、「創造力と技術力が高い次元で融合した組織」を目指すことを基本方針としている。既存3事業である「コミュニティ」「ネイティブゲーム」「メディア(その他)」について、それぞれの維持・強化を図る一方、新たに「ライフハック」「VR」「新規(現時点で詳細は未定)」等の複数の事業を順次立ち上げ、2020年にはすべて収益事業化することを目指している。また、事業ポートフォリオの充実を図ることにより、キャッシュフローのエコシステムを創り出すとともに、様々な環境変化にも対応できる事業構造へと進化を図る。「ぼくドラ」を中心とした「ネイティブゲーム」に依存から脱却しつつ、「with」「U-NOTE」「TLUNCH」などストック型事業により強固な事業基盤を確立する一方、爆発力のある新規プロダクトによる成長加速を目指す。

最終年度である2020年9月期の目標として、売上高150億円、営業利益60億円(営業利益率40%)を掲げている。2017年9月期実績を基準にすると、残り3年間の成長率は売上高が年率39.1%、営業利益が同93.4%と高い水準が必要となる。また、2016年9月期決算説明資料時点の情報によると2020年9月期の営業利益のうち30%は新規事業で積み上げる想定となっている。

■株主還元等

イグニス<3689>は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実を図ることが重要であると考え、過去において配当の実績はない。2018年9月期も無配を予定している。弊社では、これから本格的な成長ステージに入っていくとする同社の成長戦略から見て、配当による株主還元はしばらく見送られる公算が大きいとみている。

なお、投資しやすい環境の整備、投資家層の拡大、流動性の向上等を目的として、2017年11月30日を基準日、効力発生日を2017年12月1日とする株式分割(1:2)を実施した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 イグニス Research Memo(6):ストックビジネスの強化(安定運営)と爆発力のあるビジネスの推進を図る