■業績見通し

1. 2018年2月期業績予想
2018年2月期の業績予想についてティーケーピー<3479>は、売上高を前期比22.1%増の26,839百万円、営業利益を同21.4%増の3,271百万円、経常利益を同18.4%増の3,021百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同26.1%増の1,705百万円と増収増益を見込んでおり、20%を超える売上成長を継続する見通しである。

積極的な新規出店の継続、とりわけ高付加価値なグレード中心の展開が増収に寄与する。また、サービス別では、会議室料だけでなく、料飲及び宿泊売上を軸に周辺サービスが伸長する計画となっている。2018年2月期末の会議室数は1,946室(前期末比194室増)、注力するホテル数は4物件を想定している。

一方、利益面でも、事業拡大に向けた費用(人件費やシステム関連費など)の増加が見込まれるものの、増収により吸収することで営業増益を実現し、営業利益率も12.2%(前期は12.3%)とほぼ横ばいで推移する見通しである。

2. 2018年2月期第1四半期の進捗
2018年2月期第1四半期の業績は、売上高が前期比26.0%増の7,253百万円(通期業績予想に対する進捗率27%)、営業利益が同15.4%増の1,415百万円(進捗率43%)、経常利益が同3.4%増の1,247百万円(進捗率41%)、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.5%増の747百万円(進捗率44%)と増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高を更新(四半期ベース)した。第1四半期は季節要因(需要のピーク時期)により、収益貢献が大きくなる傾向があるものの、順調な滑り出しと言える。

好調な外部環境のもと、積極的な新規出店が大幅な増収に寄与した。また、各サービスともに順調に伸びており、とりわけ料飲・宿泊の拡大が顕著であった。料飲等売上を伴う高付加価値グレード(CC以上)の出店強化や、「アジュール竹芝」(4月運営開始)及び「レクトーレ湯河原」(5月新規オープン)など宿泊研修施設が業績の伸びを後押ししたものとみられる。サービス別売上構成比の変化でみても、会議室料の比率が低下(61.4%→57.0%)した一方、周辺サービス(特に、料飲及び宿泊)の比率が大きく高まっており、高付加価値モデルへの転換が進んでいると評価できる。

利益面でも、売上総利益率の高い周辺サービスの拡大や、増収による利益の押し上げにより増益となった。ただ、営業利益率が19.5%(前年同期は21.3%)と若干低下したのは、「アジュール竹芝」の運営開始に伴う初期費用や賞与引当金の計上など特殊要因によるものである。また、今後の事業拡大に向けてシンジケートローンによる資金調達枠(70億円)を設定したことに伴い、その関連費用がかかったことで経常利益率はさらに17.2%(前年同期は21.0%)に低下した。しかしながら、これらは一時的な費用であり、同社の収益性の低下を反映したものではない。したがって、第2四半期以降は改善(本来の水準)に向かうものと考えられる。

財務面では、総資産が現預金の増加等により前期末比20.0%増の28,956百万円となった一方、株式上場に伴う公募増資(約16億円)や利益剰余金の積み上げなどに伴い、自己資本も同65.4%増の7,322百万円に大きく拡大したことから、自己資本比率は25.3%(前期末は18.3%)に改善している。また、有利子負債も前期末比11.1%増の1,8447百万円に増加した。特筆すべきは、公募増資や有利子負債調達に伴って現預金が増加したことに加え、シンジケートローンによる資金調達枠の設定により約200億円の投資余力を確保したことである。同社では、環境の変化やそれに伴う事業機会等に迅速に対応するためとしているが、今後の動きに注意が必要である。

以上から、第1四半期の進捗を総括すると、積極的な新規出店や周辺サービスの拡大等により、順調に業績を伸ばすことができたと評価できる。特に、高付加価値モデルへの転換が順調に進展していること、「アジュール竹芝」及び「レクトーレ湯河原」の運営開始など、今後の成長軸となるホテル事業(自社ブランド)の本格展開は注目に値すると言える。

また、通期業績予想についても、1)好調な外部環境(旺盛な貸会議室需要など)に加えて、2)第1四半期業績の高い進捗率、3)今後の出店計画の前提やその実現性などから判断して、同社の業績予想の達成は十分に可能であると判断している。上振れの可能性を含めて、今後の出店計画の進捗や周辺サービスの拡大の動きに注意する必要があるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 TKP Research Memo(5):2018年2月期は増収増益、20%を超える売上成長を継続する見通し