(1) 業務提携による販売ネットワークの拡大 a) そば・うどん業界向けに特化したサービス提供を開始 同社は2017年1月期に、そば・うどん業界向けに特化したコンサルティング会社と提携し、同業界向けにカスタマイズした「まかせてネット」や「まかせてタッチ」のサービス提供を2017年4月より開始した。当初の計画では2017年1月期下期に開始する予定であったが、システム調整もあって2018年1月期にずれ込んだものの、4月中旬に開催された麺類専門の展示会「麺産業展」で同社システムを出展したところ感心も非常に高かったと言う。
パチンコホール向けに勤怠管理サービスを提供する会社は5~6社あり、現在は(株)ヒューマンテクノロジーズの「KING OF TIME」がトップシェアとなっている。同社では競合企業の製品を分析し、すべての機能を網羅し、かつ価格は同額がやや低い価格で提供する予定となっている。「まかせてネット」では店舗当たりの月額利用料をメニューごとで設定していたが、パチンコホール向けでは利用する人員(ID)ごとに月額利用料を設定(競合は250~300円/ID)するため、導入が決まれば採算も十分見込めるようだ。サン電子としても自社にない勤怠管理サービスをメニューに加えることで顧客への提案力が増すことになるため、今後の契約店舗数拡大が期待される。競合製品の契約期間更新のタイミングを見計らって切り替えを進めていくことになるため、急速に契約数が増えることはないものの、着実な増加が期待される。なお、2018年1月期の業績計画にはパチンコホール向けの売上高は織り込んでいない。
a) 物損対応付延長保証サービス 製品保証サービス事業を手掛ける(株)Warranty technologyと業務提携し、物損に関して5年間の延長保証サービスを同社が販売するPOSシステムやハンディターミナルに付与するサービスとなる。通常、メーカー保証は1年間程度だが、実際に機器に故障が発生するのは2年目以降が主であり、また、ハンディターミナルなどは落下による破損・故障なども多い。今までこうした費用は顧客負担で修理等を行っていたが、今回、同サービスを提供することで、5年間は物損対応費用がかからないこととなる。保証料については同社が負担することとなるが、負担コストよりも同サービスを提供することによる機器の販売増や契約店舗数の増加、解約防止の効果が大きいと見ている。
b) 給料前払いサービス付き勤怠サービス 給与前払いシステム「前払いできるくん」の開発提供を行っている(株)Payment Technologyと業務提携し、同社の勤怠管理サービスとの連携を2017年4月より開始した。昨今、各業界において人材確保が困難になるなかで、福利厚生サービスの1つとして給与前払いサービスを導入する企業が増えており、外食業界においても同様のニーズが強まっていることが背景にある。今回、「まかせてネット 勤怠管理」の契約企業へ同サービスを提供することにより、契約企業先における従業員の定着率、求人募集率向上に寄与することが期待されている。同社にとっては、解約防止策の1つとなる。