20日のドル・円は、東京市場で150円08銭から149円68銭まで弱含み。欧米市場では149円56銭まで下げた後、150円29銭まで上昇し、150円15銭で取引終了。本日21日のドル・円は主に150円台で推移か。米長期金利の上昇を意識してドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。

20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、1990年8月以来となる150円29銭まで買われる場面があった。一部の市場参加者は「来週開催の日本銀行金融政策決定会合で金融緩和策が維持されることを想定したドル買いもみられた」と指摘している。日銀黒田総裁は17日、「現在はコロナ禍から回復途上にある経済を支え、賃金上昇を伴う形で2%物価目標を持続的・安定的に実現することが必要」との見解を表明している。直近のインフレ率は2%を上回っているが、黒田総裁は持続・安定的な物価上昇ではないと判断しているようだ。ただ、市場参加者の間では日銀が物価見通しを大幅に引き上げない場合、11月中にも1ドル=160円到達の可能性が指摘されており、円安進行による物価上昇も予想されている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米長期金利上昇を意識してドル買い縮小の可能性低い