29日の欧米外為市場では、ドル・円はしっかりの値動きを予想する。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派的な見解を受け、ドル買い優勢の見通し。一方、欧州中銀(ECB)の大幅利上げ観測で域内の減速が懸念され、ドル選好地合いとなろう。

パウエルFRB議長は26日のジャクソンホールでの講演で「物価安定には時間がかかる」などと述べ、金融引き締めの長期化への思惑からドル買い優勢に。ユーロ・ドルは0.99ドル半ばに下げ、ドル・円は137円半ばに値を上げた。週明けアジア市場はその流れを受け継ぎ、米10年債利回りの上昇を手がかりにドル買いが先行。日経平均株価は前週末の米大幅株安に追随し大きく下げたが、ドル・円は1カ月超ぶりに138円台に
浮上した。

この後の海外市場は主要中銀当局者の見解を消化する展開が予想される。FRBによる引き締め継続が見込まれるため、ドル買いに振れやすい地合いに変わりはない。他方、ECB当局者から次回9月8日の理事会で一段の引き締めに前向きなスタンスを示し、0.75%の利上げに思惑が広がる。ただ、同時に域内経済の低迷が不安視され、ユーロ売りが出やすい。欧州通貨の下落基調でドル選好地合いとなり、ドル・円は7月高値の139円台が意識される。

【今日の欧米市場の予定】
・23:30 米・8月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-12.2、7月:-22.6)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円はしっかりか、米金融引き締め期待と域内経済への懸念で