2日の日経平均は反落。182.25円安の27753.37円(出来高概算13億4000万株)で取引を終えた。米カリフォルニア州で初めて新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が確認され、前日の米国株市場が大幅に続落したことを映して、リスク回避の動きが優勢となり、取引開始直後には一時27644.96円まで下押した。ただ、心理的な節目である27500円を割り込まなかったことや時間外取引での米株先物が堅調に推移していることなどから、次第に押し目を拾う動きもあり、後場は27700円~27800円台でもみ合っていた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、海運が6%を超える大幅高となったほか、電気ガス、ゴム製品、倉庫運輸、その他製品など12業種が上昇。一方、鉱業、空運、精密機器、陸運、情報通信、その他金融など21業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ダイキン<6367>、バンナムHD<7832>、任天堂<7974>、花王<4452>、アステラス薬<4503>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、ソニーG<6758>が軟調だった。

前日の米国市場は感染拡大懸念や供給網の再混乱への警戒感が広がり、主要株価指数は大幅に続落。円相場も113円前後と円高傾向にあり、輸出関連株などを中心とした主力銘柄に値を消す銘柄が目立っていた。一方、外資系証券が目標株価を大幅に引き上げたことがサプライズとなった郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎船<9107>の海運大手3社が値を飛ばしたほか、海運株高に刺激された三井倉HD<9302>、住友倉<9303>、渋沢倉<9304>なども値を上げた。

オミクロン株については、感染地域が広がってきており、再び世界的な感染拡大への警戒感が依然として相場に暗い陰を落としている。関係者は「耐ワクチン性など詳細な情報が判明していないだけに、不気味で不透明感が拭えないこと自体が売り材料になっている」との声が多く聞かれ、目先はオミクロン株の実態解明が待たれるところだ。一方、前日まで2日間でNYダウの下げ幅が1000ドルを超えたことから、2018年のクリスマスショックの再来を警戒する向きもあり、目先は神経質な動きが続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 売り一巡後は下値の固さなどから下げ渋る【クロージング】