20日のドル・円は、東京市場では109円37銭から109円71銭まで反発。欧米市場では、109円33銭から109円96銭まで反発し、109円84銭で取引終了。本日21日のドル・円は主に109円台後半で推移か。欧米株高を意識してリスク回避的な円買いは抑制される可能性がある。

新型コロナウイルス変異株の感染拡大は世界経済の持続的な成長を阻害するとの見方が広がり、20日のアジア市場では安全逃避的なドル買いが観測された。同日のニューヨーク市場では欧米株高を意識して、安全逃避的なドル買いは一服したが、リスク選好的な為替取引がただちに拡大するとの見方は増えていないようだ。ただ、市場参加者の間では、英国における新型コロナウイルス(変異株)の感染状況が注目されている。新規感染者数は急増すると予想されるが、ワクチン接種によって重症患者は大幅に増加しないことが確認された場合、英国に倣って行動規制を大幅に緩和する動きが広がる可能性がある。

また、日本では軽症者を対象とする新たな治療薬の使用が承認されており、重症化リスクは軽減される可能性があることから、各種規制の緩和につながるとの見方も出ている。ウイルス変異株の感染流行が経済活動に与える影響については慎重に判断する必要があるが、新規感染者数の増加に対する市場の懸念はある程度緩和されるとの声も聞かれている。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:欧米株高を意識して円買い抑制の可能性