28日の日経平均は小幅に反落。18.16円安の29048.02円(出来高概算8億7000万株)で取引を終えた。前週末のNYダウの上昇を映して、金融や鉄鋼、海運など景気敏感株を中心に買いが先行した。一方、ナスダック総合指数やSOX指数の下落を受けて半導体関連株などは冴えない動きに。全般手掛かり材料に乏しく、積極的に売買を行う向きは限られるなか、日経平均は寄り付き直後につけた29121.28円を高値にこう着感が強まり、29000円を挟んだ狭い値幅での動きが続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉄鋼、海運、小売、証券・商品先物、繊維製品など20業種が上昇。一方、鉱業、精密機器、空運、倉庫・運輸、パルプ紙など13業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、7&iHD<3382>、塩野義<4507>、ホンダ<7267>が堅調で、ファーストリテ1銘柄で日経平均を約71円超押し上げ、相場全般を下支えした。半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ダイキン<6367>、エムスリー<2413>が軟調だった。

米ハイテク株安の流れを引き継いで、東エレクやアドバンテスなどの半導体関連株が値を下げるなど、指数寄与度の大きい値がさ株の一角が日経平均の重荷となった。ただ、前引けにつけた28984.93円を安値に底堅さが意識されており、狭いレンジながらも29000円を固める動きに。個別では、米コンビニ運営会社スピードウェイの買収を米連邦取引委員会(FTC)が承認したことから7&iHDが上伸したほか、米スポーツ用品大手ナイキの好決算を受けてアシックス<7936>が堅調。一方、外資系証券による格下げが観測されたエーザイ<4523>は続落した。

月末の株安アノマリーが警戒されるほか、国内外で重要な経済指標の発表が数多い。国内では7月1日の日銀全国企業短期経済観測調査(短観)、米国では2日に雇用統計などの注目度が高く、積極的に持ち高を一方向に傾けるのは難しそうで、商いも低調な状態が続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 29000円を挟んだもみ合い展開が続く【クロージング】