13日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:SQ通過後のトラウマ払しょく、年末高意識が再燃
■前場の注目材料:H.I.S.、通期営業利益3.0%減、20/10期は10%増計画
■KDDI、テレビ朝日と定額制の動画配信サービス提供、共同出資会社設立


■SQ通過後のトラウマ払しょく、年末高意識が再燃

13日の日本株市場は堅調な相場展開になりそうだ。12日の米国市場では、NYダウが220ドル高と大幅に上昇。トランプ大統領が米中合意を示唆するツイートを行ったほか、米国が中国に対して15日に予定される追加関税の中止と既存関税措置の減額を提案したことが伝わり、堅調推移となった。これを受けて、銀行や自動車・自動車部品、半導体株を中心に物色されている。この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比300円高の23700円(3月限)と大幅な上昇をみせており、先物オプション特別清算指数算出(SQ)要因も重なって幅広い銘柄に買いが先行しよう。

米国時間では米国の通商交渉担当者らは中国との間で第1段階となる貿易合意の条件で一致し、トランプ大統領の承認を待つ段階に入ったが、その後、トランプ大統領はこれを承認したと伝えられている。15日に発動予定だった対中関税引き上げは見送られることになり、ポジティブ視されよう。ギャップスタートによって日経平均は一気に年初来高値を更新することになるため、足元で続いていたもち合いレンジを上放れてくる。そのため、ショートカバーも巻き込みやすく、より値幅が出てくる可能性がありそうだ。

また、12日投開票の英総選挙の出口調査によると、与党・保守党が下院で過半数を獲得する見通しと伝えられている。日本時間のお昼ごろまでには結果が判明することになるが、想定の範囲内ということもあり、警戒する流れにはならないだろう。

もっとも、メジャーSQ通過後は、海外勢などはクリスマス休暇入りとなるため、基本的には商いが細る傾向にある。そのため、ギャップスタート後はこう着感が強まる展開も想定しておく必要があるだろう。その場合にはセンチメント改善がみられている個人主体による中小型株へ資金がシフトしてくる可能性がありそうだ。

昨年の日経平均はSQ後に年末にかけて急落する展開だったこともあり、トラウマも残っているだろう。ただし、重要イベントが一つずつ理想的な形で通過してきており、年末高への期待感が再燃してくることが期待される。


■H.I.S.、通期営業利益3.0%減、20/10期は10%増計画

H.I.S.<9603>は2019年10月期決算を発表。営業利益は前期比3%減の175.40億円だった。減益ではあるが、8月に下方修正(160億円)した計画を上回っての着地。2020年10月期は同10%増の193億円を計画しており、コンセンサス(186億円程度)を上回る計画に。


■前場の注目材料
・NYダウは上昇(28132.05、+220.75)
・ナスダック総合指数は上昇(8717.32、+63.27)
・シカゴ日経225先物は上昇(23700、大阪比+300)
・1ドル109円20-30銭
・SOX指数は上昇(1806.87、+47.67)
・VIX指数は低下(13.94、-1.05)
・米原油先物は上昇(59.18、+0.42)
・日経平均は上昇(23424.81、+32.95)
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い


・安川電<6506>水平多関節ロボに参入、生産セル一括提供
・ヤマダ電<9831>大塚家具を子会社化、再建に自信
・JDI<6740>債務超過解消にめど、いちごアセットが900億円出資
・KDDI<9433>テレビ朝日と定額制の動画配信サービス提供、共同出資会社設立
・NEC<6701>複数移動ロボを集中制御、ベンダー問わず
・三洋化<4471>初の化粧品ブランド完成、来春、中国で4商品発売


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 12月調査日銀短観・大企業製造業DI(予想:3、9月:5)
・08:50 12月調査日銀短観・大企業非製造業DI(予想:16、9月:15)
・08:50 12月調査日銀短観・大企業全産業設備投資(前年度比予想:+6.0%、9月:+6.6%)

<海外>
・特になし



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~SQ通過後のトラウマ払しょく、年末高意識が再燃