29日の日経平均は6営業日続伸。85.58円高の22262.60円(出来高概算13億株)で取引を終えた。28日の米国市場は米中首脳会談での貿易交渉進展に楽観的な見方が広がったほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演で話した内容から、市場は利上げの打ち止め時期が近いと解釈。景気減速への警戒感が後退し、NYダウは600ドルを超える上昇となった。これを受けてシカゴ日経先物は22400円に近づく中、日本株市場はこれにサヤ寄せする格好から買い先行で始まると、寄り付き直後には一時22437.95円まで上げ幅を広げる局面もみられた。ただし、その後は次第にこう着感を強めており、グローベックスの米株先物や上海市場の弱い流れから、上げ幅を縮める格好。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターではサービス、その他製品、空運、医薬品、石油石炭、非鉄金属が堅調。一方で、水産農林、鉱業、保険、食料品、パルプ紙、小売が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>、京セラ<6971>がけん引する半面、KDDI<9433>、ユニー・ファミマ<8028>が重石となっている。

日経平均は、買い一巡後は次第にこう着感が強まっていたが、概ね想定内の値動きといったところであろう。日経平均は200日線レベルを回復してきており、ここからは強弱感が対立しやすいところである。自律反発の域とはいえ、これまで5営業日続伸と上昇が続いていたことも、やや短期的な過熱感が警戒されやすい面もある。また、米中貿易交渉進展に楽観的な見方が広がったものの、結果を見極めたいとする模様眺めムードも強く、薄商いの中をリバランス中心の商いだったと考えられる。

一方で、マザーズ指数は1.5%の上昇となり、節目の1000Ptを回復してきている。サンバイオ<4592>、ALBERT<3906>など一部の銘柄に資金が集中しているとはいえ、日経平均のこう着感が強まる中での活発な中小型株物色がみられた点では、センチメントを明るくさせることになろう。明日は米中首脳会談の進展を見極めたいとする模様眺めムードが一段と強まりやすいと考えられる。そのため、全体としてはこう着感が強まりやすい需給状況の中で、個人主体による中小型株物色が中心になりそうだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 こう着感が強まりやすいなかで中小型株物色が中心に【クロージング】