今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。欧州中央銀行(ECB)理事会が迫るなかユーロ買いに振れやすい影響で、ドルにある程度売り圧力がかかる見通し。反面、米国の製造業関連指標が連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化を後押しする内容になると期待され、足元のドル買い基調は継続しそうだ。

市場では目下、26日に開催されるECB理事会での資産買い入れプログラム縮小に関する議論の行方と米FRBの次期総裁人事が注目されるなか、積極的な売り買いは手控えられているようだ。足元のドル・円は112円台に下げれば押し目買いが強まる一方、114円台では売りたい投資家が多いとみられ、113円台を中心とした値動きが続く。目先も株価や金利動向、経済指標を手がかりとした相場展開となりそうだ。

本日は17時発表のユーロ圏の10月PMI速報値が注目される。製造業、サービス業とも前回を下回る見通しだが、予想を大きく下回らなければECBの緩和縮小観測を背景としたユーロ買いに振れやすい地合いが続くだろう。このため、ユーロは下値の堅い値動きとなり、その影響でドル・円にもある程度ドル売り圧力がかかるとみられる。また、米10年債利回りは4月以降、2.40%付近で失速する傾向がみられ、金利先高期待によるドル買いはそれほど強まっていないもよう。

一方、米国の指標では10月製造業PMI速報値(22時45分)や10月リッチモンド連銀製造業指数(23時)が材料視されよう。前週発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)では「ほとんどの地域で製造業が拡大」と指摘しており、今晩発表の製造業関連指標にも堅調な内容が期待される。成長の持続を好感して株高となれば、長期金利が上昇し、ドルを押し上げる見通し。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・10月製造業PMI速報値(予想:57.8、9月:58.1)
・17:00 ユーロ圏・10月サービス業PMI速報値(予想:55.6、9月:55.8)
・17:00 ユーロ圏・10月総合PMI速報値(予想:56.5、9月:56.7)
・22:45 米・10月製造業PMI速報値(予想:53.5、9月:53.1)
・22:45 米・10月サービス業PMI速報値(予想:55.2、9月:55.3)
・22:45 米・10月総合PMI速報値(9月:54.8)
・23:00 米・10月リッチモンド連銀製造業指数(予想:17、9月:19)
・02:00 米財務省2年債入札(260億ドル)





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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米製造業指標に上振れ期待も