以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家 藤川里絵氏(ブログ:オレンジーナ通信、ツイッター:@Forangina」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年9月21日7時に執筆

新著「月収15万円からの株入門 数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法」」に増刷がかかりまして、上機嫌ですが、それに水を差すような悲しい出来事を聞いてください。

決算発表によって、株価が大きく動くのはよくあることです。数字がよくても下がること、逆に悪くても上がること、そんな理不尽な反応にもずいぶん最近は慣れてきたつもりです。

去る9月11日、わたしの保有株・正栄食品工業<8079>の第3四半期の決算発表がありました。前年同期比売上高1.1%増、経常利益27.3%増。通期の予想に対する進捗率は87.7%、おまけに配当の増額修正も同時発表。ピッカピカの好決算です。

株の情報サイトなどでも、決算内容をポジティブに捉えたものがほとんどで、株価上昇はまちがいないと思っていました。

翌日9月12日の8時半ころ、板を確認したところ、前日の終わり値よりも高いところで、注文が入ってます。

しめしめ。

大きく上がると確信してましたので、そのあとは確認しないまま仕事に没頭しておりました。そんな中、付けっぱなしのラジオから「ここまでの下落率ランキング 2位 正栄食品」との声が。

え?? なんですと??

あわてて株価を確認すると、10%以上も大きく下落しております。

なんでなんで??

何があったのかネットの海を泳いで探し回りましたが腑に落ちる答えは見つかりません。
好決算で材料出尽くし、上方修正がないことが失望されたなどといった理由が書かれていましたが、ここまで大きく下落する理由には物足りない気がします。

ちなみに正栄食品は、ナッツやドライフルーツなどの食品輸入商社です。最近、コンビニやスーパーでもミックスナッツをたくさん見かけるようになりました。わたし自身も、常備してますので、正栄食品はまだまだ伸びると確信しています。

結局、12日は4,730円と前日から11%下落しての着地となりました。前日までの含み益が、一転、含み損へ。わたしが利用しているマネックス証券では、ご丁寧に悲しそうな泣き顔マークまでついてきます。なんとも忌々しい。

ザラ場終了後、やっと納得のいく理由が発見できました。某証券会社が、正栄食品のレーティングを「バイ」から「ニュートラル」へ引き下げたとのこと。

これな。

この調査機関が出す「レーティング」は、短期的に株価を大きく動かします。プロの方が綿密に調査した上で出してくるレーティングなので、当然といえば当然ですが、いつどのタイミングで出されるか分かりません。個人投資家からすると地雷のようなもの。保有株にネガティブなレーティングを出された場合は、泣くしかありません。

ただ、このとき同時に出された正栄食品のレーティングは、従来4,300円から5,100円に引き上げられています。だったらえーやんと思う人もいるかもしれませんね。

個人的には、調査機関のレーティングの上げ下げは占い程度に参考にします。今までにレーティングの高いものを買って、失敗したことも何度かありますので、そのトラウマが若干あります。レポートの情報量には、さすがプロ…と脱帽することもありますが、だからと言ってやみくもに鵜呑みにすることはありません。しかし、一般的に株価が反応するというのは、多くの投資家が参考にしている証拠でしょうね。それに投資家がレーティングを参考にしなくなったら、調査機関のお仕事がなくなっちゃいますもんね。

正栄食品ですが、通期決算手前で上方修正してくるのを期待してしばらくホールドしてみようと思っています。さて、どうなることでしょう?


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執筆者名:藤川里絵
ブログ名:オレンジーナ通信




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情報提供元: FISCO
記事名:「 【FISCOソーシャルレポーター】藤川里絵:調査機関のレーティングは参考にするべきか、スルーするべきか。