NY連銀期待インフレ率は低下した。今後1年間のインフレ期待は0.7%低下し5.2%と、2021年以来で最低となった。低下率は過去最大。ガソリン価格の下落が奏功した。短期の期待インフレはガソリン価格と78%相関関係がある。3年インフレ期待は0.1%低下の3%、5年も0.1%低下の2.3%。

同指数は連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待の動向を見極める上で、ミシガン大消費者信頼感指数のインフレ期待指数とともに注目している。

■NY連銀11月期待インフレ率
1年:5.23%(10月5.94%)
3年:3%(3.1%)
5年:2.3%(2.4%)

CNBCが34名の市場関係者を対象に行った調査によるとFRBが12月FOMCで50BPの利上げを行い、ピーク金利が5.15%と見ていることが明らかになった。ほとんどが緩やかな景気後退入りを予想している。リセッションは23年6月からほぼ15カ月間続くと見ている。一方で、FRBの利上げは23年4月まで続き、ピーク金利は5.15%を予想。12月FOMCではインフレ期待の低下を受けて、ハト派色が強まるかどうかにも注目される。

■FRB調査(CNBC)
●12月FOMC、50bp利上げ
●ピーク金利:5.15%
●利上げ打ち止め時期:23年4月
●ピークレート維持期間:9カ月
リセッション確率:61%
リセッション開始時期:23年6月
期間:15カ月
リセッションの度合い
緩やかmoderate:67%
軽いmild:33%
●GDP見通し
22年Q4:+1.9%、23年Q1:+0.2%、Q2:−0.6%、Q3-0.2 %
●FRBの引き締め
行き過ぎで景気後退を導く:59%(11月71%)
適切で緩やかな減速に留まる:24%(9%)
少なすぎる、インフレを抑制しない:15%(20%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米インフレ期待が低下、ガソリン価格の下落が奏功