前週の短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。市場の円の売り持ち高が減少したため、円の下げ余地も広がる。また、ユーロの売り持ちは前週からさらに増加。

米国と中国は23日に、相互に160億ドル相当の商品に高関税を発動。貿易協議は再開したものの、トランプ大統領が示唆したとおり、今回の次官会合では大きな前進は見られなかった。今回は協議の再開に意味がある。11月の米中首脳会談に向けて、進展するかどうかに焦点が集まる。トランプ政権はさらに2000億ドル規模の中国製品に追加関税を計画。全ての中国輸入品に関税を賦課することも辞さない構え。

貿易摩擦の深刻化に懸念が強まる中、来週は、米国の7月月前渡商品貿易収支、7−9月期国内総生産(GDP)改定値、個人消費支出に注目が集まる。中間選挙も近づき、トランプ大統領の弾劾問題も強調される可能性が、ドルや金融資産市場にとりリスクとなる。

ただ、米国経済は依然順調。国内総生産(GDP)で3%成長が予想されており、ドルの下落も限定的と考える。パウエルFRB議長も強い成長が維持されるならば、緩やかな利上げが適切とした。米商務省が24日に発表した7月耐久財受注速報値は前月比-1.7%と、6月+0.7%から5月来のマイナスに落ち込んだ。伸びは予想-1.0%を下回り、1月来で最低となった。変動の激しい輸送用機除いた耐久財受注も前月比+0.2%。伸びは6月+0.1%から拡大したが、予想+0.5%にはとどかず。このため、下半期の消費が上半期のペースを下回る可能性が指摘されている。

一方で、国内総生産(GDP)の算出に使用される航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の出荷は前月比+0.9%と、予想+0.3%を上回った。6月分も+0.7%から+0.9%へ上方修正された。また、企業の設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は+1.4%と、予想を上回り4月来で最大の伸びを記録した。このため、7−9月期GDPも堅調な結果が期待されており、ドルの支援材料となる。アトランタ連銀は7−9月期国内総生産(GDP)の見通しを従来の4.3%から4.6%へ引き上げた。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米Q2GDP改定値、米PCEコア、米中貿易摩擦の行方