米労働省が2日発表した5月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+13.8万人にとどまり、市場予想の+18.5万人程度を下回った。5月の失業率は4.3%まで低下したが、労働参加率が0.2ポイント低下したことが影響したとみられている。市場関係者が注目していた5月の平均時給は、前年比+2.5%にとどまり、市場予想の+2.6%に届かなかった。また、4月分の平均時給は前月比+0.3%から+0.2%に下方修正された。

 5月の失業率は16年ぶりの低水準を記録したことや不完全雇用率がさらに低下していることから、来週6月13-14日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ポイントの追加利上げが決定されるとの見方は変わっていない。ただ、賃金の伸びはほとんどみられないことから、一部投資家の間では9月利上げに対する懐疑的な見方が浮上している。

 5月の雇用統計だけで判断するわけではないが、インフレ加速への思惑は大幅に後退しており、他の経済指標が悪化した場合、米長期金利は2%近辺まで低下する可能性は否定できなくなった。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 米9月利上げは難しくなりそう