31日の日本株市場は、自律反発を意識した相場展開になりそうだ。30日の米国市場はNYダウが400ドルを超す上昇となった。トランプ大統領が中国との貿易協定締結への自信を示したことが買い戻しを誘ったほか、半導体のエヌビディアは、JPモルガンによる投資判断引き上げを受け上昇。マイクロン・テクノロジー、アプライド・マテリアルズなど半導体関連株も連れ高となったことが安心感にもつながった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比145円高の21625円。円相場は1ドル113円台に乗せるなど円安に振れて推移している。

 まずはシカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行の展開になりそうだ。また、決算が本格化する中、ソニー<6758>が好調な2Q業績と合わせて2019年3月期の業績予想を上方修正している。営業利益は18%増の8700億円と、従来予想(9%減の6700億円)から一転して増益となるなどコンセンサスを上回る内容が評価されよう。信越化<4063>に次いで昨日はコマツ<6301>がセンチメントを明るくさせたが、本日はソニーの動向がセンチメントを明るくさせそうだ。

 一方で昨日ザラ場に決算を発表した三井物<8031>は急伸後に値を消す格好となり、結局は安値圏で取引を終えていた。その他、任天堂<7974>も好決算ながらコンセンサスは下回っており、株価動向が気掛かりな面はある。好決算を評価しつつも次第に決算に対する警戒感も高まりやすくなるため、しばらくは短期的な値幅取り狙いの売買での対応となり、相場全体のボトムを探る展開になろう。

 その他、日経平均は直近で空けたマド(21700-21900円処)が抵抗にもなりやすく、マド下限レベルでのこう着が続くようだと、次第に戻り待ちの売り圧力が警戒されてくる可能性もある。22000円処をクリアしてくるまでは、底打ち感が高まることにはなりづらいだろう。また、昨日はTOPIXのリバランスによる影響も大きかったことから、イベント通過によって手掛かり難となる可能性も意識しておきたい。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ソニー決算評価も、次第に決算に対する警戒感も高まりやすく