スピード違反の責任は原則として運転していた人が負う


道路交通法第22条では、車を運転する人に制限速度を守る義務があるとしています。そのため、スピード違反をした場合、原則として実際に運転していた人が責任を負います。

 

例えば、弟が帰省中に兄の車を借り、制限速度を超えて運転したとします。この場合、違反したのは弟なので、基本的に弟が処分の対象となります。

 

比較的軽い違反であれば、反則金を納付することで刑事裁判を受けずに手続きを終えられます。一方、速度超過が大きい場合などは、刑事手続きの対象となり、罰金が科される可能性もあります。

 

また、スピード違反には、違反の程度に応じた点数が付けられます。点数は運転者本人に付くため、車の所有者である兄の免許に、弟の違反点数が付くことはありません。

 

ただし、オービスなどの速度違反自動取締装置で違反が確認された場合、車の所有者に警察から連絡が来ることがあります。その際は、誰が運転していたのかを正確に伝えましょう。

 


車の所有者も責任を問われるケースとは?


スピード違反は原則として運転者本人の責任ですが、車の所有者が責任を問われるケースもあります。

 

例えば、弟が無免許だと知りながら車を貸した場合です。道路交通法では、無免許運転をするおそれがある人に車を提供することを禁止しているため、貸した側も処罰される可能性があります。

 

また、放置駐車違反にも注意が必要です。運転者が反則金を納付しないなどの条件を満たすと、車の使用者に「放置違反金」の納付が命じられる場合があります。

 

さらに、弟が交通事故を起こした場合、車の所有者にも損害賠償責任が生じる可能性があります。自動車損害賠償保障法では、車の運行を管理し、その運行によって利益を得る立場の人を「運行供用者」と呼びます。

 

例えば、弟に貸した車で歩行者をはねてしまった場合、兄も運行供用者として賠償責任を負う可能性があります。

 

ただし、所有者なら必ず責任を負うわけではありません。車を貸した事情や管理状況などによって判断されます。

 


家族に車を貸す前に確認しておきたいこと


家族に車を貸す際は、運転免許証が有効かどうかに加え、自動車保険の契約内容も確認しましょう。

 

特に注意したいのが、任意保険の「運転者限定」と「年齢条件」です。

 

運転者限定とは、保険で補償される運転者を本人や配偶者などに限定する仕組みです。例えば、兄が「本人・配偶者限定」で契約している場合、弟が事故を起こしても、原則としてその契約の補償対象にはなりません。

 

また、年齢条件についても確認が必要です。ただし、別居している弟には年齢条件が適用されない契約も一般的です。

 

補償対象外の事故では、修理費や賠償金などを自己負担するおそれがあります。そのため、車を貸す前に保険会社へ問い合わせ、補償の対象となるか確認しておくと安心です。

 

なお、弟が自動車保険に加入している場合は、他人の車で起こした事故を補償する「他車運転特約」が使える可能性もあります。

 


まとめ:スピード違反の責任は原則として運転者本人にある


家族に貸した車でスピード違反が起きても、原則として責任を負うのは実際に運転していた人です。所有者という理由だけで、反則金の支払いや違反点数の対象になることはありません。

 

ただし、無免許運転を知りながら車を貸した場合や、人身事故が起きた場合などは、所有者にも責任が及ぶ可能性があります。

 

家族間であっても、車を貸す前には免許証や保険の補償内容を確認しましょう。また、事前に安全運転を心がけてもらうよう伝えておくことも、思わぬトラブルを防ぐうえで大切です。

 


出典


e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号) 第三章 車両及び路面電車の交通方法(最高速度)第二節 速度 第二十二条

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 帰省中の弟が私名義の車を運転し、スピード違反をしたと聞いて不安に…。実際に運転していたのは弟ですが、車の持ち主である私まで責任を問われることはあるのでしょうか? 」