奈良文化財研究所は31日、奈良市の平城宮跡から「倭歌(やまとうた)」という文字が書かれた木簡が出土したと発表した。日本古来の歌を指す「やまとうた」の確実な使用例としては最古の可能性があるという。木簡は、平城宮跡資料館(同市)で開催中の「地下の正倉院展」で11月1日から展示される。  木簡は長さ301ミリ、幅31ミリ、厚さ6ミリで、「倭歌壱首」などと記されている。同研究所によると、木簡に「倭歌」と書かれた初めての例だといい、奈良時代中期以前に下級官人が墨で書いたとみられる。   同研究所の馬場基・史料研究室長は「漢詩に対し、(日本の)固有文化である『やまとうた』を当時の人々が自覚し、その価値を強く認識していたことが分かる史料だ」と話している。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕奈良市の平城宮跡から出土した「倭歌」と書かれた木簡(奈良文化財研究所提供)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 出土木簡に「倭歌」の文字=最古の「やまとうた」か―奈良・平城京跡