最近の自動車業界では「自動運転」が大きく取り上げられていますが、以前より自動運転の前段階の技術として、「先進運転支援システム」の開発が行われてきました。この運転支援システムは比較的新しいもののため、中古車のモデルや年式によっては搭載されていません。そこで気になるのが、中古車にも運転支援システムを後付けできるのかどうかではないでしょうか。この記事では先進運転支援システムの特徴や中古車への後付けについて詳しく解説します。 先進運転支援システムとは 先進運転支援システムとは、ADAS (エーダス:Advanced Driving Assistant System)とも呼ばれる「ドライバーの運転操作を車が支援してくれる装置」のことです。スバルのアイサイトで有名な自動ブレーキをはじめとして、ADASには10以上の支援機能が含まれます。 名前に”先進”とありますが、決して最近の技術ばかりではありません。例えば自動ブレーキは、2003年にホンダが「追突軽減ブレーキ」として世界で初めて実用化した技術です。 先進運転支援システムは中古車に後付けできる 先進運転支援システムはすでに多くの中古車に搭載されていますが、購入を希望する車に搭載されているとは限りません。一部の先進運転支援システムは後付けが可能です。 後付けできる先進運転支援システムの例 後付けできる先進運転支援システムとして最もお手軽なのは、ドライブレコーダーの付属機能でしょう。映像記録用のカメラの画像から、前方の車間距離が急に詰まるなど、追突の可能性がある場面、車線の逸脱が考えられる場合などに警告してくれます。専用の後付け装置としては、以下のようなシステムが販売されています。 衝突防止補助システム 専用の車載カメラの映像から、前方衝突の可能性がある際に警報を発してくれる装置です。自動運転や自動ブレーキにも採用されている検知システムを採用した信頼性の高い警報システムです。例えば、エムコの「モービルアイ570」があります。 側方衝突警告システム 側方衝突とは、大型車の左折時などに死角に入ってしまった歩行者などを巻き込んでしまう事故のことです。前方のカメラに加えて左右に取り付けられたカメラによって、システムが右左折時の死角に歩行者や自転車が存在すると判断した際に、ドライバーに対して警告してくれます。例えば、エムコの「モービルアイ・シールドプラス」があります。 誤発進抑制装置 誤発進とは、アクセルとブレーキの踏み間違いのことです。特に高齢者ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違い事故が多く、社会問題にもなりました。誤発進抑制装置は、ドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違えたと判断された際に、エンジンの出力を制限することによって加速を抑制してくれます。あくまでも加速の抑制であり、自動でブレーキが作動するものではありません。 先進運転支援システムを中古車に後付けする方法 先進運転支援システムを中古車に後付けする際には、装置を販売しているカー用品店や、ディーラーなどに依頼するのが良いでしょう。衝突防止補助システムや側方衝突警告システムは、カメラを正しい位置と向きに取り付けなければ、本来の機能を発揮できません。誤発進抑制装置は、車と信号をやりとりする為の配線接続が必要です。カー用品店やディーラーなど、専門知識を持ったお店で取り付けてもらいましょう。 先進運転支援システムを中古車に後付けするメリット 先進運転支援システムを中古車に後付けするメリットは、重大な事故を予防できる可能性が高まることでしょう。人間である以上、ヒューマンエラーという見逃しや過失は起こるものであり、大きな事故へとつながる可能性は否定できません。 人を死傷させるリスクが減る 先進運転支援システムを後付けする一番のメリットは、人身事故が発生するリスクを低減できることです。先進運転支援システムは、ほんのわずかな不注意から、人を死傷させてしまうような不幸が起こる可能性を低くしてくれます。 単独事故による出費のリスクが減る 他の人を死傷させることがない単独事故であったとしても、自分の車の修理費や物損の損害による出費が発生します。自身が怪我をしてしまったら治療費はもちろん、仕事や日常生活にも支障が生じてしまうでしょう。思わぬ出費の可能性を低減させることにも、先進運転支援システムを取り付ける価値はあります。 安心感が増す 装置を取り付けて、運転ミスによる事故の発生を減らすことによって運転に対する安心感が生まれます。安心感が高まれば運転に対する心の余裕が生まれ、結果的に安全運転につながるでしょう。
...続きを読む