プラント点検に人型ロボットを導入へ 東京ガスエンジニアリングソリューションズとマクニカが共同実証を開始
プラントおよびユーティリティ設備の日常点検業務において、フィジカルAIを活用した人型ロボットの自律点検を目指す共同実証が、東京ガスエンジニアリングソリューションズとマクニカにより開始されます。
プラント・ユーティリティ設備の点検運用モデルの検証
本実証は、人型ロボット(ヒューマノイドロボット)を導入し、プラントおよびユーティリティ設備の日常点検業務における活用可能性を探る取り組みです。東京ガスエンジニアリングソリューションズが持つO&Mや運用管理の知見と、マクニカが有するAI・ロボティクス技術を融合し、まずは自律歩行などの基本動作から検証を始めます。将来的には巡視、情報取得、設備操作へと対象を広げ、人とロボットが協働する新たな運用モデルの確立を目指します。
デジタルツインを活用したシミュレーション環境
今回の検証では、3Dレーザースキャンで取得した環境データとNVIDIA Omniverse(TM)のライブラリを用いてデジタルツイン環境を構築します。仮想空間での学習結果を実機に反映させるSim2Realのサイクルを回すことで、ロボットの動作精度を段階的に向上させます。また、人型ロボットの特性を活かし、階段や狭い通路など既存の設備を大幅に改修することなく適応できるかどうかも重要な検証項目です。
点検業務の高度化に向けた背景
プラント等の安定稼働には巡視や計器確認が欠かせませんが、点検人員の確保や夜間・休日業務の負担が課題となっています。本実証を通じて定型的な移動や記録業務をロボットが担うことで、人間が異常判断や保全計画といった高度な業務に注力できる運用体制への転換を図ります。2026年度中に実証計画を策定して試験環境での検証を開始し、2030年頃を見据えたプラント設備の自律点検実現を目指します。
両社の役割
東京ガスエンジニアリングソリューションズは、蓄積された点検ポイントや管理基準、熟練者の動作などのデータをロボットの学習用として整理します。マクニカは、これらの現場知見とシミュレーション環境を活用し、自律化に向けた技術開発を推進します。今後はロボットメーカーなど他企業との協力も視野に入れ、多様な業種・業態の設備管理課題を解決するソリューション提案を目指します。
用語解説
※1:現実環境をデジタル空間上に再現し、ロボットの動作学習やシミュレーション、検証を可能にするNVIDIA社の開発基盤
※2:現実の設備や空間などをデジタル空間上に再現し、実環境を模したシミュレーションを行う仮想環境
※3:仮想環境で学習・検証したロボットの動作や制御を現実環境へ活用するための手法