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たけし軍団のダンカン(59)が、プロ野球日本シリーズでソフトバンクが日本一になったことを受け、「この日本一は認めん!」と異議を唱えた……と、ネット版の日刊スポーツに書いてあった。
パ・リーグ2位から勝ち上がったソフトバングがセ・リーグ3連覇の広島を2-0で下し、2年連続9度目の日本一に輝いたが、ダンカンは11月3日、「世の中おかしいぜー!」のタイトルでブログを更新。「2位が優勝チームに勝って日本一って・・例えルールもお天道さまも許しても昭和の野球小僧のオレは許さねー!(続けて)とにかくオレはこの日本一は認めん!」との想いをつづった。
……のだという。たしかに、「日本一」という表現には私も少々の違和感をおぼえてはいる。かつて、我が愛する阪神タイガースが2014年、セ・リーグ2位だったにもかかわらずクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズへと出場した際も、どこか本気で応援ができない“醒めた部分”が残っていた。この年パ・リーグを制覇したソフトバンクに4-1でボコボコにやられてしまったときは、「まあ、なるべくしてなった結果だよな…」と、逆に“ホッとした気分”のほうが勝ってしまったくらいだ。おそらく(私以上の)熱狂的なトラ党で名を馳せるダンカン氏も、当時はよく似た複雑な心境を抱いたに違いない……と推測する。そして、そんな「昭和の野球小僧」を自認する氏が、前出のような論旨のクダを巻くのもわからなくはない。コレはコレで一つのモノの見方だよね……と。
ところが、同記事下にあるコメント欄は「コレはコレで一つのモノの見方だよね…」では済ましちゃくれていないのである。ザッと眺めてみても、なかなかに辛辣なニュアンスの“反論”が次々とラインナップされており、プチな炎上状態と化している。そのいくつかを抜粋してみよう。
「あんたが認めなくても、ルール上問題無い。ソフトバンクだって、何度も下克上されてきた。文句があるなら、球界に言ってくれ」
「ホークスファンです。このような結果になっても、現行制度への疑問はあります。ただ、このタイミングで言う必要があるのでしょうか? しかも『認めない』などという言葉を使うのは、大変失礼だと思いますが」
「それならロッテが日本一になったとき(※2010年)発言すべきである」
「ホークスが日本一だからいうのか? 好きな球団が下克上したら同じように言うのか?」
「日本シリーズが始まる前に言って欲しい。結果次第の意見は説得力がない」
私がここで伝えたいのは「CS制度の是非について」だとか「現行ルール改正の提案」だとか、そんなことではない。「認めん!」と些か強い語調も用いて自分の個人的意見を発信するだけで、こうも揚げ足を取られる息苦しい世の中になってしまったんだなぁ……と、ただ嘆いているのだ。
ホークスファンが怒りにまかせて罵詈雑言を浴びせるのはまだ許せる。でも、せっかくダンカン氏があえての“悪役”を買って出て、今の日本プロ野球界に関する問題提起してくれているのだから、もっと冷静な視点から健全な討論をすればいいじゃないか?「アンタに認められんでも〜」みたいに挑発的な前置きや「ロッテが日本一になったとき発言すべき」みたいなインネンは、余計なのではなかろうか? カラッとしたジョーク風の主張に対し、そこまでムキになる必要があるのだろうか?
そりゃあ、ダンカン氏はタレントとして活動している著名人であるからして、一般人と比べて公的な発言には責任を持つべき……といった理屈は一応スジが通っているし、いっぽうで、ニュース下のコメント欄は書き込み自由なんだから、なにを書いても自由だろ……と開き直るのもアリかもしれない。が、いくら無記名だからといって、あえて人を傷つけるような言葉をわざわざ選んで使わなくても……コレ、書き込まれた側からすれば、なんだかんだ言って、けっこう凹んでしまいますから……ね?