「ただの胃もたれ」「年齢のせいかと」初期症状が出にくいがんを、早期発見する方法は?
All About 2026年11月05日 00:00:00
Q. 初期症状が出にくいがんとは? 早期発見する方法があれば知りたいです
「最近、何となく胃のあたりがすっきりしない日が続いています。特に食べ過ぎたわけでもないので、年齢のせいだと思っていたのですが、知人から『初期症状が出にくいがんで、胃の違和感で気付く人もいるらしい』と聞いて、急に不安になりました。胃もたれのような症状しかないのですが、もうしばらく様子を見るべきでしょうか? 早期発見に大切なポイントなどがあれば、知りたいです」A. 「沈黙の臓器」のがんも。小さなサインに気付くことと定期健診がカギです
早期発見が難しいがんはいくつかありますが、特によく知られているのが「すい臓がん」です。決して珍しい病気ではありませんが、早期発見が難しい分、治療成績も他のがんに比べてよくない傾向があります。すい臓がんが早期発見されにくい理由は、大きく2つあります。1つは、すい臓が胃や腸、肝臓、胆のうに囲まれた体の中心近くにあること。もう1つは、「沈黙の臓器」とも言われる通り、初期にはほとんど特徴的な症状がないことです。
「もし痛みが出たら受診しよう」「すい臓が悪かったら黄疸が出るらしい。顔色は問題がないから大丈夫だろう」といった知識で様子見をしてはいけません。すい臓がんの症状として知られている「黄疸」「嘔吐」「背中側の強い痛み」などは、がんが進行し、胆汁の流れや消化管の通過を妨げたり、背中側の神経に広がったりしたときに現れる症状です。肝臓への転移が原因で黄疸が出ることもあります。
一方、初期の段階でも、かすかな異変を感じていたという人も少なくありません。
・何となく胃のあたりがすっきりしない
・背中の方が重たい感じがする
・食欲がない
・便通が不安定
これらはいずれもすい臓がんに限らず、よくある不調とも言えます。多くの場合、一時的な症状なら心配いりません。ただし、これらの不調が長引いたり、少しずつ強くなったりする場合は、まずは一度内科で相談してみましょう。また、血糖値の上昇や糖尿病の悪化、原因の分からない体重減少、帯状疱疹の発症なども、悪性の病気の可能性を考えるきっかけになるサインです。
すい臓がんの治癒率を上げるためには、早期発見・早期治療が何より大切です。「最近ずっと胃の調子が悪いな」「年齢のせいかな」と小さな不調を見過ごさず、気になる症状に注意を払いましょう。そして、年に1回の定期的な健康診断を習慣にすることが、自分の体を守る確かな一歩になります。
狭間 研至プロフィール
大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。 情報提供元: All About