「小学生で生理が始まった人はハイリスク?」 初潮が早いとなりやすくなる「がん」。その意外なワケ
All About 2026年11月07日 00:00:00
Q. 「初潮が早かった人は乳がんに注意が必要」って本当?
「私は小学4年生で初潮を迎え、周りの友達よりも早いほうでした。最近『初潮が早かった人は乳がんになりやすい』という雑誌の記事を読んで、不安になっています。生理が始まる時期の早さと大人になってからの乳がんに、実際に関連はあるのでしょうか? 今から気を付けられることはありますか?」A. 初潮が早いことは注意したい要因の1つですが、過度な心配は不要です
意外に思うかもしれませんが、初潮の時期は乳がんのなりやすさと関係があると考えられています。カギとなるのは、女性ホルモンの「エストロゲン」です。乳がんの発生には、エストロゲンが深く関わっています。エストロゲンにさらされる期間は、大まかにいえば「生理がある期間」と考えることができます。初潮が早い人は生理のある期間が長くなり、その分エストロゲンの影響を受ける期間も長くなるため、乳がんに注意が必要とされているのです。同じ理由で、「閉経が遅いこと」「初産が30歳以上であること」「出産経験がないこと」なども、注意が必要な要因に挙げられています。
国立がん研究センターのがん情報サービスでも、「初経年齢の低さ」「閉経年齢の高さ」「出産経験のなさ」「初産年齢の高さ」「授乳経験のなさ」などは、乳がんリスクを高めると考えられるとしています(エストロゲンの影響を受ける期間が長いかどうかに関係するもの。例えば授乳中は生理が来にくいことが知られます)。
日本乳癌学会の『乳癌診療ガイドライン』(2022年版)では、日本人女性を対象とした研究のまとめで、閉経年齢が50歳以上の人は44歳以下の人に比べて乳がんのリスクが高かったことを紹介しています。
とはいえ、初潮が早かったからといって、必ず乳がんになるわけではありません。初潮の時期は自分では変えられない要因です。エストロゲンに関わるポイントとして、次のような点を知っておきましょう。
・ホルモン補充療法や経口避妊薬を長期間使う場合は、医師とよく相談する
・長期間の授乳は、乳がんの予防に効果的とされている
・日頃から自分の乳房の状態を意識し、しこりや変化がないか確かめる習慣を持つ
・一定の年齢(目安は40歳)になったら、乳がん検診を欠かさず受ける
エストロゲンに関わる要因を知ることは、自分のリスクを正しく把握する第一歩です。初潮が早かった人も必要以上に不安にならず、定期的な検診を受けるなどして、健康管理に気を付けましょう。生活習慣を整え、健康的な食生活や運動習慣を取り入れるなど、自分でできるちょっとした行動も、リスクを下げることに役立ちます。
山田 恵子プロフィール
東京大学医学部卒業。整形外科専門医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学客員研究員、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、現在、東京大学医学部附属病院整形外科。勤務医として診療にあたりながら、女性の健康をサポートする情報を幅広く発信している。 情報提供元: All About