フジテレビは「神経がおかしい」中居正広氏の継続起用を猛批判 局内会議の元検事総長発言を紹介
フジテレビの番組を自己検証する番組「週刊フジテレビ批評」(土曜午前5時30分)は15日の放送で、中居正広氏(52)の女性トラブルを発端とした同局の対応について、12日に局内で行われた番組審議会での議論の様子を報道した。
審議会にはフジテレビの清水賢治社長や審議会委員が出席。審議会の最後に、元検事総長で弁護士の但木敬一委員長が「フジテレビに対し厳しい言及をしました」とナレーションで紹介し、発言を伝えた。
但木氏は「私の意見を一言で申し上げると、全く時代錯誤だ、ということであります」と切り出し「今度の件、子細は分かっていませんけど、『俺はスターだ』というそれだけの偉さを背景にして、何かをしたとすれば重大な職務違反ですよね。それを会社が重大な問題だと考えずに『これはプライベートな問題だ』という風に考えたのは、全然ランクが違う」と断じた。 続けて「(被害女性が)大げさにしないでくださいと言った時にどう応じるか、という問題はあると思いますけれども」と前置きした上で「今は人材が宝だ、という時代なんです。その宝の人材に対して攻撃をかけてきた人に対する反撃をどうするか、と言う問題としてちゃんと会社が考えたか」と疑問を呈した。
また、港浩一前社長が問題を把握した後も中居氏の番組「だれかtoなかい」が継続したことについても言及。但木氏は「1年6カ月、看板番組の看板スターとして使ったということに対して、本当にフジテレビは自分でどれだけ反省しているのか、というのが僕には分からない」と指摘すると「看板番組の看板スターとして、そういうことをやった男を使い続けるという神経がおかしい。そんな人を1年半続けて出させるなんていうのは、視聴者に対する裏切りじゃないですか。だましですよ。こんなことをやった男を、私たちはずっと主役で使いますよ、っていうのは、神経そのものが非常におかしい」と激しく批判した。
また「人間の性的自由に対して厚い人権を認めた現在の文化から言うと、非常にそれもおかしい。視聴者に対する裏切り」と、被害女性への配慮が行き届かなかったことについても苦言を呈した。清水社長や遠藤龍之介副会長らが但木氏の意見を神妙に聞く様子も映された。
フジテレビの公式サイトによると、番組審議会のメンバーは弁護士の但木敬一委員長、早大教授の岡室美奈子副委員長、井上由美子氏(脚本家)、小山薫堂氏(放送作家・脚本家)最相葉月氏(ノンフィクションライター)、齋藤孝氏(明大教授)、舞の海秀平(大相撲解説者)、三浦瑠麗氏(国際政治学者)。おおむね月1回のペースで審議会が開催されている。