きっかけは図書室で読んだ『のらくろ』の記憶


話題の起点となったのは、小学生のころに図書室で読んだ『のらくろ』の終盤を振り返った投稿です。長く過ごした場所を離れたあと、新しい暮らしの中に居場所を見つけられず涙する姿が、今も強く心に残っているといいます。今になって思い返すと、子どものころとは違う重さを感じる場面のようです。




楽しい場面だけでなく、こうした寂しい場面が何年たっても記憶に残っているのは、子どものころの読書ならではかもしれません。この投稿をきっかけに、のらくろの気持ちに寄り添う声や、自分が覚えている別の場面を語る声が続きました。


居場所を失う寂しさに寄り添う声


まず寄せられたのは、のらくろの孤独に心を重ねる反応です。長くいた環境を離れたときの戸惑いを、所属をなくすことだけでなく、自分が何者なのかを見失うことと結びつけて受け止める声がありました。




子ども向けの作品として読んだ物語でも、大人になってから振り返ると、人の心の深い部分に触れていたと気づくことがあります。寂しさの場面そのものを大切に受け止める見方です。


覚えている「その後」は人によってさまざま


一方で、のらくろが軍隊を離れた先の物語を覚えている人もいます。同じ人物の話でも、記憶に残っている場面や終わり方には違いがあるようです。




仲間がそれぞれ家族のもとへ帰るなか、ひとりだけ帰る場所がない場面を、気持ちが沈む結末として覚えている声です。あわせて、その後に各地を巡り、新しい暮らしにたどり着く展開も記憶しているといいます。




喫茶店を始め、結婚して、かつての仲間と記念写真を撮る場面を最後の記憶として挙げる人もいました。




読んだ本の名前を挙げつつ、別の土地へ渡ったのらくろが、同じく軍隊を離れた人物と出会うところで終わっていたと振り返る声も。なぜ覚えている場面が違うのかはここでは分かりませんが、どの場面が強く残ったかに、それぞれの読書の思い出が表れているようです。




『のらくろクン』の時代を、そうした状況の先にたどり着いた未来として受け止める感想もありました。居場所をなくした寂しさの記憶と、その先の物語の記憶。どちらも読者の中では同じのらくろの姿として残っているのが印象的です。


別の作品や文字の思い出もよみがえる


話題は『のらくろ』の外にも広がりました。軍隊を離れたあとの暮らしになじめない人物の姿から、好きな別の作品を思い出した人もいます。




『エリア88』で、登場人物たちが除隊後の生活になじめず悩む姿や、心に残るせりふを挙げた投稿です。作品は違っても、居場所を見失う人物の姿が読者の記憶の中で重なり合うのは興味深いところです。




物語とは別に、繰り返しを表す記号など、ふだんあまり見かけない文字の表記を『のらくろ』で知ったという思い出も寄せられました。読んだ当時の小さな発見として、今も記憶に残っているようです。


居場所をなくした寂しさに共感する人、その先の暮らしを覚えている人、別の作品や文字を思い出す人。ひとつの思い出話から、同じ人物をめぐるさまざまな記憶が集まりました。みなさんは『のらくろ』のどんな場面を覚えていますか?


情報提供元: にじめん
記事名:「 『のらくろ』で居場所をなくす場面の思い出に、孤独への共感やその後の物語、別作品の記憶が集まる 」