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腰の反りが強くなると腰背部の筋肉の緊張が強くなるばかりか、腰椎後部への負担が大きくなってしまいます。そのため腰痛が起こりやすくなります。
腰の反りが強いと腹筋群の力が抜けて緩んだ状態となります。すると内臓が下垂してしまうため、下腹部がぽっこり出た「ぽっこりお腹」にもなりやすくなります。
反り腰になると「垂れ尻」にもなりやすくなります。腰の反りが強くなると腹筋群だけでなく、お尻の筋肉である「大殿筋」も緩んだ状態となるからです。
自分では「反り腰ではない」と思っていても、実際には反り腰になっていることも少なくありません。
そこで、ご自身が反り腰であるかどうかを簡単に知ることができる方法をお伝えしておきましょう。これは特別な道具やスキルがなくても、壁さえあれば誰でもできるものです!
上の写真のように、壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして頭を付けて立ちます。
壁と腰の間に片手を入れると握りこぶしがすっぽりと入ってしまう場合、反り腰である可能性が考えられます。
反り腰を改善に導く方法についてお伝えする前に、「反り腰が起こるメカニズム」について触れておきたいと思います。
反り腰を引き起こす要因として、2つ考えられます。
ヒールの高い靴を履く機会が多くなると、「つま先重心」になります。すると骨盤の前傾が強くなり、それに伴って腰椎の前弯(腰の反り)が強くなってしまうことから、反り腰が生じると考えられます。
もう一つの要因として考えられるのが「筋力低下」です。骨盤を後傾させる腹筋群や大殿筋の筋力が低下してしまうと、骨盤の前傾がますます強くなり、反り腰を強くしてしまうことになります。
それでは反り腰を改善させるためには、どうしたらよいのでしょうか。
反り腰は腹筋群や大殿筋の筋力低下によって骨盤の前傾が強くなっている状態なので、「腹筋群や大殿筋の筋力を強化すればいい!」と考えてしまいがちです。
しかし、いきなり筋力を強化するエクササイズを行っても、残念ながら効果は期待できません!
なぜなら骨盤の前傾と腰の反りが強い状態のままで腹筋群や大殿筋のエクササイズを行っても、骨盤後傾方向への動きが制限されているので、筋肉に効かせることができないからです。
そのため腹筋群や大殿筋の筋力を強化して反り腰改善に導くためには、まず骨盤後傾方向への動きを高めることがポイントと言えます。
ここからは、骨盤後傾方向への動きを高める具体的な方法をお伝えしていきましょう。
骨盤後傾方向への動きを高めるには、まず骨盤後傾方向への動きを制限している筋肉の緊張を静的ストレッチで緩め、次いで骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチを行っていきます。
骨盤の後傾方向への動きを制限している筋肉として、「腸腰筋」が考えられます。腸腰筋とは太ももの付け根前面にある筋肉で、股関節を曲げる以外にも、骨盤を前傾させる働きがあります。
そこで「腸腰筋への静的ストレッチ」と「骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ」の2つを行うことで、骨盤後傾方向への動きを高めていきます。
左右それぞれ筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにします。
骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けるようにすることです。そうすることで背中が丸くなるので、骨盤を後傾させやすくなります。
また、ストレッチ中は骨盤を正面に向けた状態を維持するようにします。
四つん這いの体勢となり、目線は床に向けたまま腰を軽く反らせてから腰を丸めていく動作を10回繰り返します。
動きはゆっくりと、腰を丸めていく動きを少しずつ大きくしていくようにすることが可動域を広げていくポイントです。
骨盤後傾方向への動きを高めていくので、必ず腰を丸めていく動作で終わるようにします。
今回は、腰痛のみならず、ぽっこりお腹や垂れ尻などの原因にもなる「反り腰」を改善させるために頭に入れておきたいポイントをお伝えしました。
弱くなった腹筋群や大殿筋の筋力を強化する前に、ストレッチで骨盤後傾方向への動きを高めることが反り腰改善に導くためのポイントです。
ストレッチで柔軟性を高めるコツは、ムリに伸ばしすぎないようにすることです。心地よく伸ばされていることが感じられる強度で30秒間伸ばし続けることで、筋肉の緊張を緩める「腱紡錘」が刺激されるようになるので柔軟性を高めることができるのです。
早速実践してみましょう!