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まずは腹筋エクササイズをするとなぜ腰が痛くなるのか、その理由についてお伝えしていきましょう。
その理由は、腹筋ではなく股関節の筋肉を使ってしまっているからです。本来なら腹筋を使って腰椎を曲げていくべきところを、股関節の筋肉を使って股関節を曲げることで、エクササイズ動作を行ってしまっているのです。
股関節を曲げる際に機能する主な筋肉は「腸腰筋」という筋肉です。腸腰筋が優位に働くようになると、腰椎が前方に引っ張られるため腰の反りが強くなってしまいます。すると腹筋に効きにくくなるばかりか、腰が痛くなってしまうと考えられます。
例えば腹筋エクササイズを代表するエクササイズとして、「シットアップ」というものがあります。これは「上体起こし」とも言われ、下の写真のように上体を起こす動作を繰り返すことで、腹直筋と腹斜筋群に効かせることができます。
しかし、腹筋力が弱いと腹筋を使って上体を起こすことができないため、股関節の筋肉を使って股関節を曲げることで上体を起こそうとします。するとお腹ではなく太ももの付け根部分に効いてしまいます。
その結果、腸腰筋の働きが優位になり、腰への負担が大きくなってしまうと考えられるのです。
お待たせしました!それでは腹筋にしっかり効かせることができて、なおかつ腰が痛くならない腹筋エクササイズを、2つご紹介していきましょう!
1つは「上体を起こさない腹筋エクササイズ」です。上体を起こさない腹筋と言われると、ピンと来ない方が多いと思いますが、上体を起こさないで行う腹筋エクササイズです!これは仰向けになって、骨盤後傾動作を繰り返すエクササイズです。
骨盤後傾動作を繰り返しますので、腹直筋下部を主に効かせることができ、下腹痩せにも有効と言えます。
慣れてきてお腹の力を使って腰を床に押し付けるという感覚が分かってきたら、腰と床の隙間に入れていた両手を抜いてエクササイズを行ってみましょう。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行うとよいでしょう。
仙骨が床から離れるところまでお腹に力を入れるようにしましょう。そうすることで腹筋に効かせることができます。
お腹の力を使って両手を押し潰す際、息が止まらないようにしましょう。
もう一つは「あぐらクランチ」と呼ばれるものです。これはその名の通り、あぐらをかいたような体勢でクランチ動作を繰り返すエクササイズです。
両膝を開くことで上体を起こす際に股関節が使えなくなり、腸腰筋が動作に関与しなくなるため、腰への負担を少なくすることができます。
こちらも15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行ってみましょう。
必ずみぞおちから上体を起こすようにします。そうすることで腹直筋上部に効かせることができます。
動作中はアゴを引かないようにします。アゴを引いてしまうと、腹筋ではなく首の筋肉を使って起こすことになるからです。
また肘を閉じてしまうと、腹筋ではなく腕の力を使って起こすことになってしまいます。そのため、両肘は開いたままエクササイズを行うようにしましょう。
今回は腹筋エクササイズをすると腰が痛くなる理由と、腹筋に確実に効いて腰が痛くならない腹筋エクササイズを2つご紹介しました。
腹筋エクササイズをしていて腰が痛くなる理由は、股関節の筋肉である腸腰筋を使ってエクササイズを行っているためで、腸腰筋の働きが強くなると腰の反りが強くなってしまうのです。
いくらダイエットやお腹痩せ、下半身痩せなどに有効なエクササイズであっても、それを行うと腰や肩、膝などが痛くなったり違和感があったりする場合、そのままエクササイズを続けていると腰などを痛めてしまう可能性があります。そのため、関節に違和感があったら、エクササイズはすぐに中止するようにしましょう。
その場合は一度、パーソナルトレーナーや専門家にフォームをチェックしてもらい、問題点がどこにあるのかを指摘してもらったり、関節への負担が少ないエクササイズを提案してもらったりすることをお勧めします。
「エクササイズは安全かつ効果を感じられるものであってはじめて有意義なものとなる」ということを頭に入れておきましょう。