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そもそもなぜ座りっぱなしでいると、腰がガチガチに固まってしまうのでしょうか。これは「座る」という行為よりも、「座り方」が大きく影響しているものと思われます。
パソコンを前に座って作業をしているとき、ほとんどの人が下の写真のように、背中を丸めて座っているのではないでしょうか。
背中を丸めた姿勢を取り続けると、腰椎は重心線から遠ざかるため、腰椎の前弯が減少してしまいます。すると腰椎前方部分への負担が大きくなってしまいます。
また、背中を丸めていると腰部の筋肉は重力に対して、伸ばされながら収縮し続けることになります。その結果、腰の筋肉の緊張が強くなり、ガチガチに固まると考えられます。
腰が固まると、つい腰を揉むことを考えてしまいますが、腰を揉んでも問題は解決しません!腰の張りをもたらしていると考えられるのは「悪い姿勢」です。その問題が解消されないと、同じことを繰り返すことになってしまうからです。
背中を丸めた悪い姿勢をもたらす原因の一つとして、「後傾した骨盤」が考えられます。そのため、腰の張りを解消させるには、後傾した骨盤をリセットさせておく必要があります。
骨盤は本来、前傾しています。そうすることで脊柱(背骨)は緩やかなS字状の弯曲を描くことができ、脊柱にかかる荷重を分散させることができるのです。
しかし、何らかの原因で骨盤が過度に前傾したり後傾したりすると、脊柱の緩やかなS字状の弯曲が崩れてしまい、脊柱にかかる荷重を分散させることができなくなってしまうのです。特に重い頭を支える頚椎や上半身を支える腰椎は、大きな負担を受けやすくなってしまうため、肩こりや腰痛が起こると考えられるのです。
骨盤の後傾は、背骨に沿って走行している筋肉である脊柱起立筋(背筋)の筋力が低下し、お尻の筋肉である大殿筋の緊張が強くなることで引き起こされます。そのため緩めるべき筋肉は、腰ではなくお尻の筋肉と言えるのです。
それではお尻の筋肉である大殿筋へのストレッチをご紹介していきましょう。
もし余裕があれば、膝裏に回している両手を膝下に回してストレッチしてみましょう(写真下)。
仰向け以外にも、座って行うパターンもご紹介しておきましょう。
いずれも左右それぞれ20~30秒間、お尻の筋肉が心地よく伸ばされているところで伸ばし続けることにより、筋肉の緊張を緩めることができます。
ストレッチ中はゆったりとした自然な呼吸を心がけるようにしましょう。
後傾した骨盤をリセットさせるには、大殿筋へのストレッチともう一つ行っておきたいストレッチがあります。それが「骨盤前傾方向への動きを高めるストレッチ」です。
このストレッチを行うことで、骨盤前傾方向への動きを高めることができ、脊柱と骨盤を支える脊柱起立筋が機能しやすくなります。
動作はゆっくりと、骨盤を前傾させる動きを少しずつ大きくしていくようにしましょう。
必ず背中を軽く反らした、骨盤を前傾させる動きで終わるようにします。
ストレッチは行うタイミングも重要で、効果を大きく左右すると言っても過言ではありません。
ストレッチは、なるべく筋温が上昇したタイミングで行うのが望ましいと言えます。そうすることで筋肉を伸ばしやすくなるため、より効果が得られやすいと考えられるからです。
そのため筋肉の緊張緩和や柔軟性アップを目的とした場合は、運動後や入浴後といった体が温まっているタイミングでストレッチを行うようにしましょう。
今回はデスクワークでガチガチに固まった腰をリセットする、お尻の筋肉へのストレッチをご紹介しました。
座り仕事による腰の張りは背中を丸めた悪い姿勢が原因で、その姿勢の悪さは後傾した骨盤によるものと考えられます。後傾した骨盤をリセットさせる一つの方法が、お尻の筋肉へのストレッチで、それにより腰の張りを緩和させることができると思われます。
後傾した骨盤がもたらす問題は腰の張りだけではありません。ボディラインにも悪影響をもたらすものと考えられます。詳しくは【「姿勢」と「ボディライン」の乱れを引き起こす後傾した骨盤をリセット!プロがお勧めするストレッチとエクササイズ】でお伝えしておりますので、こちらも是非ご参照ください!