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エクササイズをお伝えする前に、ポッコリお腹と下半身太りを引き起こす原因について触れておきましょう。
この2つをもたらす原因として、「骨盤の開き」が考えられます。骨盤というのは本来、開いたり閉じたりを繰り返しているのですが、何らかの原因で開きっぱなしとなった状態です。
骨盤が開いた状態になると、本来逆三角形をした骨盤が、台形のような形をした状態になります。具体的には、坐骨や恥骨といった骨盤の下の部分が開いた状態です。
すると内臓が下垂して、下腹部がポコッと出た「ポッコリお腹」と呼ばれる状態になります。
更に、骨盤下部が開くと、股関節(大腿骨)も外に開いた状態となりやすくなるため、「O脚」になります。そうすると、血液やリンパの流れが妨げられるので、むくみやすくなり「下半身太り」へとつながると考えられます。
以上のことから、ポッコリお腹と下半身太り解消には、開いた骨盤を改善するエクササイズが有効となります。
それでは開いた骨盤を改善するには、どのようなエクササイズを行えばよいのでしょうか。
骨盤下部が開いた状態というのは、恥骨と坐骨が外に向かって開いた状態なので、腹直筋、内・外腹斜筋、腹横筋から成る「腹筋群」と、内ももの筋肉である「股関節内転筋群」、そしてお尻の筋肉である「大殿筋」などといった筋力が弱くなっている状態と考えられます。
そのため開いた骨盤を改善するには、腹筋群、股関節内転筋群、大殿筋を強化するエクササイズが有効と思われます。
この3つの筋肉を一気に強化できるエクササイズがあります!それが「スタンディング・ドローイン」というエクササイズです。
合間に30秒~1分程度の休憩を入れながら、3セット行いましょう。
このエクササイズを効果的に行うために、押さえておきたいポイントが2つあります。
1つは、つま先をできるだけ大きく外に開いた状態で内ももを閉じるようにすることです。そうすることで、股関節内転筋群だけでなく、大殿筋に効かせることができます。
もう一つは、おへその辺りを大きく凹ませるようにすることです。それにより腹筋群の深層部にある腹横筋に効かせることができ、お腹痩せ効果を得ることができます。
お腹を凹ませようとすると呼吸が止まりやすくなってしまいますが、エクササイズ中は呼吸が止まらないように注意しましょう。
スタンディング・ドローインは、「立った状態で内ももを閉じてお腹を凹ませる」という至ってシンプルなエクササイズです。
しかし、このエクササイズを指導していると、「内ももを閉じる動作がうまくできない…」という声や、「お腹をうまく凹ませることができない…」という声もよく耳にします。
そこでここでは、この2つの問題に対する改善策をお伝えしておきましょう。
下の写真のように、小さなゴム状のエクササイズボールやクッションなどを内ももにセットして、それを挟むようにしてエクササイズを行ってみましょう。
「内ももを閉じる動作がうまくできない」ということは、言い換えれば内ももを閉じる動作が制限されているということです。
そこで、内ももを閉じる動作(股関節内転動作)を制限している筋肉である股関節外転筋群へのストレッチも合わせて行うとよいでしょう。
左右それぞれ20~30秒間、心地よく伸ばされていることが感じられる強度でストレッチします。
下の写真のようにおへそを覆うように片手を当てて、その手からお腹を離していくようにお腹を凹ませてみましょう。するとお腹を凹ませることができ、腹横筋に効かせることができます。
腹横筋を機能させるには、骨盤を後傾方向に動かす必要があります。お腹がうまく凹ませられないということは、骨盤の前傾が強く、腹横筋がうまく機能していないことが考えられます。そこで、骨盤の前傾を強めている腸腰筋の過度な緊張を、ストレッチで緩めておくとよいでしょう。
やはり左右それぞれ20~30秒間、後ろ脚の太もも付け根前面の部分が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で伸ばし続けましょう。
今回はお腹と下半身を一気に引き締めることができる、スタンディング・ドローインというエクササイズをご紹介しました。このエクササイズは5分もあればできるものですので、「時間がない」という方でもスキマ時間に続けることができます!
このエクササイズは毎日行うようにしてみましょう。合わせて全身の筋肉を刺激する筋トレを週2、3回行うようにすれば、2ヶ月ほどでお腹痩せと下半身痩せの効果が現れてくると思います。
「お腹周りと太もも周りが気になる…」という方、早速今日から始めてみてください!