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まずはカラダの動きの確認をするために、「2つのチェック」を行いましょう。その2つのチェックとは、「立位体前屈チェック」と「バンザイチェック」です。
1人でチェックを行う場合、スマホで自撮りすることをお勧めします。あくまでも現状のチェックなので、ムリのない範囲で行うようにしましょう。痛みを感じたら、すぐに中止するようにしてくださいね。
「立位体前屈チェック」では、2つのチェックポイントがあります。それは「股関節」と「背中」です。
理想的な体前屈動作は、上の写真のように股関節と背中がバランスよく曲げられています。
上の写真のように前屈をすると股関節の屈曲動作が小さく、背中が大きく丸まってしまう場合、この状態で「スクワット」を行うと、腰や膝を傷めてしまう可能性があります。
逆に股関節の屈曲動作が大きく、背中の弯曲がほとんどない場合、骨盤が強く前傾している可能性が考えられます。この状態で「腹筋エクササイズ」を行っても腹筋に効きにくく感じるばかりか、腰を傷める可能性があります。
次に、壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして頭を付けて立ち、両腕を真上に上げる「バンザイチェック」を行いましょう。
上の写真のように、バンザイ動作をすると腰の反りが強くなってしまう場合、この状態で「ラットプルダウン」や「ショルダープレス」のような腕を肩よりも上に上げた状態でエクササイズを行うと、腰への負担が大きくなってしまい、腰を傷めてしまう可能性が大きくなります。
また、肩の関節可動域が狭くなっていることも考えられるので、こういったエクササイズを行うと肩を傷めることも考えられます。
2つのチェックを行ってみていかがでしたか?
チェックをしてみて、「硬くて動けなかった…」と落ち込む必要は全くありません!むしろ、動けないカラダなのに、いきなりエクササイズを再開してケガをしてしまうことの方が最悪です。
それでは、「動けるカラダ」に変えていく方法をご紹介していきましょう!
「動かないカラダ」を「動けるカラダ」に変えるのに、「ストレッチコンディショニング」というテクニックを用います。これはストレッチを用いて「動けるカラダ」を獲得していくためのコンディショニング法です。
具体的には動きを制限している筋肉を静的ストレッチで緩め、高めたい方向への動きを動的ストレッチで高めていくことで動きを獲得していきます。
先ほどの立位体前屈チェックで、背中が大きく丸まってしまう場合のストレッチコンディショニングをご紹介しましょう。
まずは股関節屈曲動作を制限している股関節伸展筋の緊張を静的ストレッチで緩めていきます。
主な股関節伸展筋として、お尻の筋肉である「大殿筋」が挙げられます。そこで「大殿筋への静的ストレッチ」を行います。大殿筋への静的ストレッチで股関節屈曲方向への動きの制限をクリアにしたら、次に動的ストレッチで股関節屈曲方向への動きを高めていきます。
心地よくお尻の筋肉が伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けます。余裕があれば、膝裏に回していた両手を膝下に回してみましょう。
動作中は、骨盤が前傾した状態を崩さないようにしましょう。
先ほど立位体前屈チェックのところで、股関節の屈曲動作が大きく背中の弯曲がほとんどない場合、「骨盤が強く前傾している可能性が考えられる」とお伝えしました。
本来脊柱(背骨)が屈曲すべきところを股関節が動作を代償しており、腸腰筋が優位に働いていると言えます。腸腰筋には「股関節を曲げる」という働き以外に、「骨盤を前傾させる」という働きがあります。すると脊柱の屈曲動作も制限されやすくなるため、骨盤が強く前傾している可能性があると考えられるのです。
そこでまずは「腸腰筋への静的ストレッチ」を行い、骨盤後傾及び脊柱屈曲方向への動きの制限をクリアにしてから、脊柱屈曲方向への動きを高める動的ストレッチを行います。
骨盤を後傾させやすくするコツは、目線をお腹に向けることです。また、骨盤は正面に向けるようにしましょう。
左右それぞれ心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けます。
四つん這いになり腰を軽く反らせた状態から(写真上)、腰を丸めていく動作(写真下)を10回繰り返します。少しずつ腰を丸めていく動きを大きくしていくようにしましょう。
バンザイ動作をすると腰の反りが強くなってしまったり、両腕が十分に上がらなかったりする場合、まずは両腕を上げる動作を制限する筋肉を、静的ストレッチで緩めていきます。
両腕を上げる動作を制限する筋肉は、両腕を下ろす際に機能する「広背筋」です。そのため「広背筋への静的ストレッチ」を行っていきます。
静的ストレッチで動きの制限を解除したら、次に両腕を上げる動作を高める動的ストレッチを行います。
余裕があれば、両手の間隔を狭くしてみましょう。すると広背筋外側と大円筋という筋肉もストレッチされます。
動作中は両肘を離さないようにしましょう。少しずつ両腕を上へ上げる動きを大きくしていくことが動きを高めるポイントです。
それぞれストレッチコンディショニングを行ったら、もう一度チェックを行ってみて「違い」を確かめてみましょう。「動けるカラダ」にした上でエクササイズを行うことで、エクササイズを安全かつ効果のあるものにすることができます!
エクササイズを再開させる方だけでなく、これからエクササイズを始める方も、まずは「動けるカラダ作り」から始めることをお勧めします。