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ストレッチを行うことで、「柔軟性アップ」の他に、「疲労回復促進」、「パフォーマンスアップ」という3つの効果が得られると言われています。
ストレッチで筋肉を程よく伸ばすことで、柔軟性をアップさせることができます。
静止した状態で筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」で筋肉を20~30秒間伸ばし続けることで、腱の中に存在する「腱紡錘」というセンサーが優位に働き、筋肉の緊張を緩めて柔軟性を高めることができると言われています。
ストレッチにはもう一つ、動きを伴う「動的ストレッチ」があります。これは関節を回したり、曲げ伸ばしたりするストレッチです。
筋肉には「一方の筋肉が収縮していると、もう一方の筋肉は弛緩する」という性質がありますが、この性質を用いて関節可動域を広げるストレッチが動的ストレッチです。具体的には、高めたい動きの方向へ筋肉の収縮動作を繰り返すことでその反対側の筋肉は緩んだ状態となり、柔軟性を高めることができます。
ストレッチをすることで柔軟性がアップすると、血液とリンパの流れが促進されるため、疲労回復促進効果も期待できます。
そのためトレーニング後は、筋肉の緊張を緩め、柔軟性を高める効果がある静的ストレッチを行うことで、疲労回復効果を得ることができます。
動的ストレッチには「パフォーマンスアップ」効果が期待できます。「パフォーマンス」とは簡単に言えば、本来持っている能力のことです。
動的ストレッチは筋肉を伸縮させる動作を繰り返しますが、すると血流が促進されて筋温が上昇します。すると筋肉の粘性が低下するため、筋出力が向上すると言われています。「筋出力」とは文字通り、持っている筋力を出す能力のことを言います。
また、動的ストレッチを行うことで交感神経にスイッチが入ります。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経は電気でたとえると「ON」の状態です。
このように動的ストレッチを行うことで交感神経が優位に働き、筋出力をアップさせることができるので、パフォーマンスアップ効果も期待できます。
直接の効果は期待できませんが、間接的な効果は期待できると言えます。わかりやすく言えば、ストレッチそのものだけを行ってもダイエット効果はなかなか得られませんが、ストレッチで柔軟性を高めることでエクササイズ効果をアップさせることができ、ダイエット効果に繋げることができます。
例えば「スクワット」は、股関節の曲げ伸ばし動作を繰り返すことで、大殿筋や太もも裏の筋肉であるハムストリングスなどに効かせることができます。
スクワットは下半身だけでなく、ダイエットにも有効なエクササイズです。しかし、股関節を曲げる動作が制限されていると、お尻を十分に下まで下ろせなくなるため効果が期待できなくなるばかりか、膝や腰への負担が大きくなってしまいます。
そこで、ストレッチで股関節の屈曲方向への柔軟性を高めることで、エクササイズ効果がアップするためダイエット効果に繋げることができます。
結論から言えば間違いです!ストレッチはトレーニング前後に行うべきです!
但し、闇雲にストレッチを行えばいいというものではありません。ここでポイントとなるのが、トレーニング前後それぞれでどのようなタイプのストレッチを行うべきかということです。
ストレッチには主に「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の2つの種類があります。静的ストレッチは静止した状態で、筋肉を程よく伸ばすストレッチ法です。そうすることで柔軟性を高め、疲労回復促進効果が期待できます。
一方、動的ストレッチは関節を回したり、曲げ伸ばし動作を繰り返すストレッチ法です。交感神経が優位に働き、筋出力がアップすることで、パフォーマンスアップ効果が得られます。
それぞれのストレッチの特性を踏まえると、静的ストレッチはトレーニング後に、動的ストレッチはトレーニング前に行うのが有効と言えます。
そもそも「トレーニング前のストレッチはNG」と言われた背景として、このタイミングで静的ストレッチを行っていたことが考えられます。静的ストレッチを行うと副交感神経の働きが優位になり、神経の興奮を抑えます。するとパフォーマンスは上がるどころか下がってしまうことになります。その結果、「ストレッチにはパフォーマンスを低下させる」と言われてしまい、「トレーニング前のストレッチはNG」という間違いを生んでしまったのでは、と思われます。
いかがでしょうか。ストレッチに関する疑問を解決させることができたでしょうか。
ハサミは紙を切るものであって、文字を書くには適しません。ペンは文字を書くものであって、紙を切ることはできません。ストレッチも同じです。ストレッチもその特性を理解した上で活用することで、効果的なものにすることができるということを覚えておきましょう。