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まず最初に、骨盤が後傾するメカニズムについて触れておきましょう。
背もたれに寄りかかって座ると、骨盤は後傾した状態になります。その状態で座り続けると、背中が丸まりっぱなしとなり、脊柱起立筋(背骨に沿って走行している背筋)の筋力が低下してしまいます。
その結果、骨盤と背骨を立てることができず、後傾した状態になると考えられます。
冒頭に「骨盤が後傾すると痩せにくくなる」とお伝えしましたが、それではなぜ骨盤が後傾すると痩せにくくなると言えるのでしょうか?
なぜなら骨盤が後傾すると、脂肪燃焼効率がダウンすると言えるからです。
骨盤が後傾すると背中が丸くなり、猫背の姿勢に繋がります。すると胸郭(胸骨、肋骨、胸椎から成り、肺や心臓を取り囲んでいる組織)が下がる上、狭くなり換気量が低下してしまい、取り込むことができる酸素の量が少なくなってしまいます。
脂肪は糖質と比べて含まれている酸素の量が少ないため、脂肪を燃焼させるには大量の酸素が必要となります。そのため骨盤が後傾すると、体内に取り込める酸素量が少なくなるので、脂肪の燃焼効率がダウンしてしまうと言えるのです。
それではストレッチをご紹介していきましょう。
後傾した骨盤を改善するには、まず「大殿筋へのストレッチ」を行います。その理由は、骨盤が後傾すると大殿筋の緊張が強くなるからです。大殿筋というのはお尻を広く覆っている筋肉で、それには股関節を伸ばしたり骨盤を後傾させたりする働きがあります。
そのためまずは、骨盤前傾の動きにブレーキをかけている大殿筋の緊張をストレッチで緩めていきます。
しかし、大殿筋へのストレッチだけでは骨盤前傾方向への動きは低下したままなので、合わせて「骨盤前傾方向への動きを高めるストレッチ」を行うようにします。
仰向けになり、脚で「4の字」を作ります。下になっている膝を立てて、その太もも裏に両手を回し、脚を胸に向かって引きつけることでストレッチされます(写真参照)。
もし余裕があれば、太もも裏に回していた両手を膝下に回してみましょう。よりストレッチ感が得られるようになります。
大殿筋が心地よく伸ばされていることを感じながら、20~30秒間伸ばし続けます。
下の写真のように、足首をわきの下に入れるイメージでストレッチすると、大殿筋へのストレッチ感がアップします。
ストレッチする際は、頭を持ち上げないようにしましょう。
四つん這いになり、腰を丸めて骨盤を後傾させた体勢から(写真①)、腰を反らして骨盤を前傾させる動作(写真②)を10回行います。
ゆっくりと、少しずつ動きを大きくしていくことで、可動域を高めることができます。
背骨と骨盤の動きに合わせて顔を動かさないようにしましょう。ストレッチ中は目線は床に向けたままにします。
ストレッチで骨盤をリセットできても、残念ながらそれは一時的なものです。なぜなら骨盤をニュートラルな状態に支える筋肉は弱いままだからです。
骨盤を前傾位に支持して脊柱を伸ばした状態を保持するには、脊柱起立筋が大きく関与します。そこで後傾した骨盤を改善するエクササイズとして、脊柱起立筋のエクササイズを行います。
脊柱起立筋のエクササイズはたくさんありますが、ここではその中でも簡単にできて、更に腰への負担が少ない「プローン・バックアーチ」というエクササイズをご紹介します。
うつ伏せになって両腕と両脚を伸ばします。このとき、親指側を天井に向けるようにします。そうすることで肩への負担が少なくなるからです。そこから両肘と両膝を床から浮かした体勢を30~60秒キープします。
両肘と両膝をただ真上に上げるのではなく、ある程度床から浮かしたら、両腕と両脚を遠くに伸ばすようにすることで腰への負担が少なくなる上、脊柱起立筋への効果が感じられるようになります。
アゴを上げ過ぎてしまうと頚椎への負担が大きくなるので、できるだけアゴを上げ過ぎないように注意しましょう。
以上のポイントと注意点を踏まえた上で、30~60秒キープを1分程度の休憩を挟みながら3セット行いましょう。
今回は、姿勢とボディラインの乱れを招く後傾した骨盤を改善に導くストレッチとエクササイズをご紹介しました。
ご紹介したストレッチとエクササイズを最低週3回は続けるのはもちろんのこと、日常生活の中でも背もたれに寄りかかって座ったり、脚を組んで座ったりしないように心がけてみましょう。そうすることで、骨盤の歪み改善効果を高めることができます。
良い姿勢を作ることはボディメイクの第一歩です!理想のボディを目指して取り組んでみてください!