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(ゲラン本社CEO ローラン・ボワロさん)
2007年、ゲラン本社のCEOになったときから「『サスティナブルが、今後重要になるのではないか』と考え、社内に『サスティナビリティ開発課』を設置し、会社を上げて本取り組みを開始した」と話すローラン・ボワロ社長。
SEOに就任した際に、「会社としての存在意義」を考えたそうで、
「会社として、社会で、そして地球でどのような役割を果たすべきかを考えたときに、企業ですから利益追求がまず1番。しかし、それだけでは不十分で、社会全体、地球全体の利益も考えなければならないと思いました。特に、環境問題へは、どれだけの利益を上げられるか、という疑問を持ったのです」と、その思いを告白。
そして、このような考えにより立ち上がったのが、「IN THE NAME OF BEAUTY -美の名において」という社会・環境に対して責任のあるプログラムなのだそう。
以来12年間、会社全体を通し、「エコデザイン」「気候変動」「社会的責任」「生物多様性」の4つの分野へのサスティナブルな取り組みにコミットメントすることを誓い、今日に至ります。
1828年の創業以来、天然素材を用いたフレグランスや自然の恵みを取り入れた化粧品を世に送り出してきた「ゲラン」。
ゲランはそのような商品を通し、「お客様にもたらされる美」「次世代に引き継がれるべきクリエイションの美」そして「それらを生み出す地球のための美」という「美の軌跡」を、将来に亘り人々に提供し続けていく使命を果たすべく、“美の名において”、志を同じくするすべての方々とともに歩みながら、さらに美しく、未来に対して責任を果たすことのできる社会と地球環境の実現に向けて、取り組むことを誓いました。
これが「IN THE NAME OF BEAUTY -美の名において」です。
(ゲラン サスティナビリティ開発担当ディレクター サンドリーヌ・ソメールさん)
では、具体的に、「エコデザイン」「気候変動」「社会的責任」「生物多様性」においてのサスティナビリティとは、どのような取り組みを指すのでしょうか。詳しく、サスティナビリティ開発担当ディレクターである、サンドリーヌ・ソメールさんに伺いました。
ゲランは、環境を守りながらラグジュアリーなコードを守り続けるボトルを開発。2020年までに新製品を100%エコデザインへ変更することを宣言。また、新処方は95%天然由来成分として、全製品において100%生産過程の情報をトレーサビリティ閲覧システム“BEE RESPECT -ビーリスペクト”で開示します。
これまでの成果としては、日本でも大人気のファンデーション「レソンシエル」が、97%の天然由来成分使用、「ルージュ ジェ」が100%レフィル対応と、仕上がりの美しさやパーソナライズ化などの製品満足度と、「エコ」を両立していること。また、スキンケア製品「オーキデ アンペリアル ザ クリーム 4G」「アベイユ ロイヤル クリーム」が、エコデザインへとリニューアルしている点などが挙げられます。
さらに、フレグランスでは、ビーボトルと呼ばれる香りの充鎮サービスによる詰替えや、100%リサイクル可能なボトルの取り入れを行うことで、リユース・リサイクルを促しています。
深刻な気候問題に取り組むためには、1分1秒が大切だとし、「2028年までにCO2の排出量をゼロに」という高い目標を設置。合わせて2021年までに世界中の子会社が100% ISO14001の取得を目指します。
具体的には「輸送時に電気トラックを使用する」「ブティックではLEDを使用しエネルギーを削減」。また、リサイクルを積極的に行うことで、排気量を減らします。
ゲランでは、外見の美のみでなく女性の心の美しさも応援すべく、職場の福利厚生に関する社会的責任をサポート。2021年までに100%ゲランの子会社が「LOOK GOOD FEEL BETTER」(または同様のNGO)の活動に参加することを目標とし、女性としての尊厳を守り、全ての美にコミットします。
最後は、ゲランにとって、そして地球にとって重要な存在である「ミツバチ」の保護。
ハチがいなければ花が育たず、自然の生態系が乱れ、農作物の生産量も下がります。つまり、ミツバチを守ることは世界の食料供給を助け、人類と地球を守ることでもあるのです。また、ハチミツと花は、ゲランにとって重要な原料です。ゆえにゲランは、ゲランの存続及び地球の存続のために、ミツバチの保護へと注力。世界中のミツバチの保護において、1番目のベンチマーク企業になるとともに、10年間で地球上に10億匹のミツバチを復活させることを目標としています(本来、2兆匹のミツバチが地球には必要)。
また、持続可能な調達、保護のため、ウェッサン島のブルターニュ・ブラックビー保護協会との長期研究パートナーシップの締結、ヨーロッパ中にミツバチの巣箱のストックを作り、養蜂という貴重な職業の促進を支援するため、フランス養蜂観測所(OFA)とのパートナーシップ締結と、重要なパートナーシップを結んだほか、Bee University(ミツバチの大学)設立、Bee School(ミツバチの学校)開始など、さまざまな活動、プログラムを策定・実施。
2020年から5ヵ年に渡り、フランス養蜂所(OFA)の指導により、世界中の養蜂家を訓練することを目的とした、ユネスコとのパートナーシップ開始することも決定しています。
(ゲラン株式会社 代表取締役社長 木村美也子さん)
上記4つの取り組みの中でも、ゲランによるミツバチの保護活動は、サスティナビリティ(持続可能性)へのコミットメント「IN THE NAME OF BEAUTY -美の名において」の大きな柱となっているのが分かるはず。これを受け日本では、2019年より、日本の在来種であるニホンミツバチの保護を開始。
日本在来種みつばち会 会長・藤原誠太さんとその娘で、宮城学院女子大学 生活環境科学研究所 ミツバチ科学研究部門・藤原愛弓さんからは、
「ミツバチは、8つの恵み〈蜂蜜、花粉、ローヤルゼリー、プロポリス、蜜蝋、蜂の子、蜂毒(蜂針療法等)、ポリネーション〉をもたらす貴重な存在であり、日本の自然の根幹とも言える植物の繁殖も支えているにも関わらず、蜜源植物の減少や農業環境の変化により、厳しい状況におかれ、その結果、軒下や墓石に巣を作り、本来保護されるべき野生のニホンミツバチが駆除されてしまっている」
という、現状についてお話を頂きました。
このようなことを踏まえ、日本ゲランは、四季に彩られた美しい自然がいつまでも続くよう、本国にならい、フランス本社が2018年から行っている「Bee School」にニホンミツバチに関する内容を加え、日本の養蜂家の皆さんと協力した啓蒙活動を2020年より開始。
また、“ミツバチの恵み”を使用したエイジングケアシリーズ「アベイユ ロイヤル」の売上げの一部をこの活動へ寄付することによる協賛を、2020年からスタート。今後拡大していく予定なのだそう。
フランス・ブルターニュ半島の沖合に位置する、ウェッサン島の固有種である黒ミツバチの生命力を、ゲラン独自のロイヤルゼリーとともに最新科学と融合させて誕生したエイジングケアシリーズ「アベイユ ロイヤル」を、初めての方でもラインで気軽に試せるトライアルセットが登場。この機会に、ミツバチの力の体感を。
11,000円(税抜)/11月1日(金)より限定発売 ※10月23日(水)より一部店舗でも先行発売
本イベントでは、ローラン・ボワロ社長、サンドリーヌ・ソメールさん、木村社長、藤原さん親子と、登壇した全ての方が、日々深刻化する地球環境や気候、ミツバチの現状についてを話すとともに「我々だけの取り組みでは限界があるので、皆さんの力を貸して欲しい」と訴えていらっしゃいました。
私たちにできること、それは、日常生活においてリサイクル・リユースを心掛けることやミツバチに対する正しい知識を持ち、駆除をするのではなく専門機関に連絡して保護をするなど、無限にあります。また、新しい製品を購入する際には、ゲランのように地球のことを考えている企業を選択することも大切でしょう。
1人1人が、自分の美のみでなく環境や地球の美のために。こうしている間にも悪化していく地球の未来を考えて、今一度、意識改革を行うタイミングを、「ゲラン サスティナビリティ イベント」は、私たちにくれたのはないでしょうか。